展示室Ⅱ 2018



旧日本海軍 駆逐艦 大潮 1941 (ハセガワ製)

- 2018年11月7日完成 -
<キット>
 1/700朝潮型駆逐艦「大潮」のキットは、ウォーターラインシリーズでは発売されていないため、2017年から2018年に発売された同型艦「朝潮」、「峯雲」または「荒潮」のキットを使い再現することになります。但し、「大潮」は大戦中期に戦没しているため、大戦後期仕様の「霞」キットでは改造が必要となります。

 ピットロード(PT)でも古参キットとなりましたが1980年代に朝潮型駆逐艦キットが発売されており、こちらは現在までに一部リニューアルされて喫水線以下の部分まで再現されたフルハルキットと洋上キットの両方があります。PTキットでは限定版で「大潮」が発売されたこともありましたが、基本的には定番キットの「朝潮」から製作することになるでしょう。このキットには「大潮」のデカールも付属されています。

<作例>
 キットは発売されているネームシップの「朝潮」キットをほぼ素組みで製作していますが、キットの艦橋頂部九四式方位盤は夕雲型の形状を表しているため、PTの艦船装備セットより陽炎型のものを調達しています。また、前部予備魚雷発射管格納筐のスキッドビームは高さが足らないため、キット付属の夕雲型駆逐艦のパーツを引用し、手直ししています。
 艦名デカールは、史実を忠実に再現するならば不要ですが、コレクション性を優先して再現しています。その際、「大潮」のデカールはキットに付属していないため、PTの朝潮型キットより調達しました。

 艦尾旭日旗デカールは、キッチン用アルミ箔に貼り耐久性を高めています。

<感想>
 WLシリーズの朝潮型駆逐艦は、1971年に初代キット「朝潮」が発売されてから46年ぶりに完全リニューアルされて嬉しい限りです。

 最新のキットと言うことで細部まで現在の考証によりしっかりと適度なモールド表現がなされており、実艦をよく現わした好キットとなっています。

 こだわるならば、艦橋頂部の九四式方位盤形状と予備魚雷格納筐用のスキッドビームの高さ不足を修正すれば完璧?でしょうか...。



旧日本海軍 潜水母艦 大鯨 1940 (アオシマ製)

- 2018年9月13日完成 -
<キット>
 1/700潜水母艦「大鯨」のキットは、ウォーターラインシリーズのアオシマより発売されているキットが唯一のプラキットとなります。長い間、レジンキットとしてピットロードから発売されていましたが、本キットの発売により今後にレジンキットの発売はないと考えられます。

 多数のバリエーションキットを発売して販売台数を稼ぐ手法を用いています。マイナー艦艇には仕方がないと考えられます。BOXアートはシリーズのアートを手掛けた故上田毅八郎氏の作品を用いています。

<作例>
 大枠は素組みで、キットの前部艦橋構造物の形状が性能改善工事前を表していたので、開戦前のものに修正しています。最上甲板上のカタパルト付近は、キットではストリップ付きの鉄甲板表現ですが、個人的なリサーチによるとリノリウム貼りが正しいようなので修正しています。
 なお、キットでは前部高角砲甲板をリノリウム貼りと木張りのパーツを両方用意して選択性としていますが、ここは木張り甲板が正しいようです。

<感想>
 細部までモールド表現がなされており、中々凝った作りで実艦をよく現わしたキットです。後部の高角砲演習機の表現が個人的に気になりますが、図面から読み取るのが難しかったのでしょう。艦橋構図応物の形状不良は少し残念に思いました。もう少しリサーチされていれば間違わなかったのかな?と思います。



旧日本海軍 潜水艦 伊-8 1941 (アオシマ製)

- 2018年4月29日完成 -
<キット>
 1/700潜水艦「伊8」のキットは、単品としては現在のところ存在していません。このキットは潜水母艦「大鯨」に付属して限定品として、エッチングパーツと甲板の木製シートも同胞された贅沢な内容で発売されたものです。アオシマは昔で言うところのマイナーな補助艦艇の開発を積極的に行っていますが、販売数を上げるためにいくつもの限定品を発売しています。「伊8」キットが同封した“潜水母艦「大鯨」SP”キットもその中の一つとなります。
 単品販売が行われるかどうかは不明ですが、「伊8」潜水艦は同型艦が1隻あるので、2隻セットで売り出すことも可能と考えます。

<作例>
 全くの素組みですが、同胞されたエッチングパーツは、完成時の全体的なバランスを考慮して手摺のみを使用しました。また、木製シートはシートの厚みを嫌い、使用しませんでした。。艦名デカールは大戦後期に他の潜水艦で見られる黒字に白色のものと、戦前から確認できる白字のみのものが用意されていましたが、黒字に白文字のものが本艦で使用されたか不明だったため、通常の白字のみのものを使いました。

<感想>
 個人的にはタミヤの“伊58”が新発売されて以来の潜水艦建造でしたが、パーツ数は少ないため、気軽に製作できるのが長所です。舷側のモールドも繊細でたまには潜水艦もいいなぁ...と感じました。
 アイテムとしては潜水艦の



旧日本海軍 航空母艦 龍驤 1942 (アオシマ製)

- 2018年3月16日完成 -
<キット>
 1/700駆逐艦「龍驤」のキットは、フジミ、アオシマから発売されたものが存在していますが、フジミのキットは第一次改装後と第二次改装後の二つのバリエーションキットがあります。対するアオシマのキットは大戦突入後の第二次改装後のもののみです。
 フジミ、アオシマとも飛行甲板前半部は板張りの状態を表したキットで、現在では主流説となったものに準拠しています。このうち、アオシマのキットは、最新キットになります。

<作例>
 全くの素組みですが、個人的には主マストがトラス構造でなく三脚柱で再現されているのが気になります。製作には多少の仮組が必要ですが、特に難しいところはありませんでした。
 格納庫が再現されていますが、飛行甲板パーツを取り付けるとほとんど見えなくなるのが残念です。
  

<感想>
 ウォーターラインシリーズにおいて、1992年にフジミがシリーズから脱退して以来、長らく欠落していた「龍驤」。やっとシリーズに復活しました。これで、メジャーな大型艦としてシリーズにないものは、「空母「鳳翔」と軽巡「由良」くらいとなりました。シリーズに登場する日が来るのかな?



    
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