展示室Ⅱ



アメリカ海軍 駆逐艦 DD-412ハムマン 1942

- 2013年12月12日完成 -
<キット>
 1/700 艦船キットの老舗、ウォーターラインシリーズにおいてタミヤが久しぶりに発売した新キットで、従来からレジンキットは存在していましたが、1/700としては初のプラキット化のものです。シリーズの特徴である錘が付属していないのが残念ですが、タミヤ風の上品な仕上がりでまとまっています。今の肥えた目で見ると、少々モールドがあっさりしていますが、個人的には縮尺相応のものと思いますし、製作で苦労する部分がないことがキットとして最重要なことであると考えます。

<作例>
 作例は、キット指定どおり沈没時仕様で製作しています。ほぼ素組みで苦労なく完成しますが、その分、迷彩塗装に手間がかかるために余力を塗装に投入できます。舷側窓や艦橋窓は黒色で墨入れしています。

<感想>
 タミヤのキットは作りやすいので、好印象です。今回発売されたシムス級駆逐艦は、戦前型米駆逐艦のキットが少ないために貴重なものです。願わくば、他の戦前型キットも発売してくれるとうれしいのですが、無理でしょうね…。
 何度も言いますが…、この調子で「特型」と「白露型」もリニューアルしてくれないかなぁ~というのが本音です。^^;




旧日本海軍 水上機母艦 瑞穂 1940

- 2013年12月12日完成 -
<キット>
 1/700 艦船キットの老舗、ウォーターラインシリーズにおいて活発に新製品を発売しているアオシマがリニューアルしたキットです。このキットは旧キットとBOXアートが同じものを採用しており、新旧キットの違いが少々わかり辛くなっていますが、上田画伯の作品を残す意味でも、大切なことと思います。旧キットでも千歳型のバリエーションキットでしたが、本キットも船体は千歳を引用しています。

<作例>
 作例では大戦前の1940年仕様としましたが、本艦は年時変化が乏しく、竣工時から沈没時までの変化はほとんどなかったものと思われます。艦尾のハイマウントは試作的に取り付けたようで、竣工後すぐに取り外された可能性がありますが、個艦の特徴を強調するためにあえて取り付けています。

<感想>
 アオシマの最近のキットは、精密さの流行に対応してパーツの細分化が進んでいます。このため、WLとしては少し作り難い部分が多いのが難点です。今回最も苦労した部分は、主翼をたたんだ艦載機の製作と艦中央のクレーンの取り付けでしょうか?
 しかしながら、シリーズ拡充への努力は大変評価するものであり、今回も同型グループの特殊潜航艇母艦「日進」の発売(1/700プラキットとして初のキット化!)があって、大変評価すべきことです。



旧日本海軍 水上機母艦 瑞穂 1941

- 2013年12月12日完成 -
<キット>
 1/700 艦船キットの老舗、ウォーターラインシリーズのアオシマが第一世代の開発において発売したキットです。当時のアオシマ製キットとしては好評的なキットでした。アオシマのキットは全体的な容姿を上手く捉えたキットが多く、詳細なモールドはありませんが、それなりに評価を受けているキットが多い中、本キットはシリーズ初期のキット群では一般的な評価が高いキットでした

<作例>
 作例は、キット指定どおり大戦初期仕様で製作しています。全くの素組みですが、艦載機が零式3座水偵のみが付属されていました。改定により艦船装備セットが付属され、95式観測機や94式水偵を選択できるようになっていましたが、本艦は1942年前期に沈没しており、零式三座水偵や、零観を搭載していた可能性はほとんど無かったものと思われます。各所、凹モールドや舷窓は黒色で墨入れしています。

<感想>
 このキットは元々準同型艦の「千歳」、「千代田」のキットをベースに追加部品により発売されたバリエーションキットでしたが、元々のキットがしっかりと実艦を表現した好キットだったために、完成後の姿は実艦を良く表しています。艦橋構造物の最下部は両舷パーツと中央パーツの合いが悪いのがネックです。細かく見ると、あちこちに実艦と異なった形状があり、中途半端な再現が目立ちますが全体的には良くまとまったキットと言えるでしょう。アオシマは、シリーズ拡充のため、同型艦の発売に積極的であり、シリーズの根本的な目的であるコレクション性によく応えており、評価すべきことです。



旧日本海軍 砲艦 橋立 1941

- 2013年8月8日完成 -
<キット>
 1/700 艦船キットの老舗、ウォーターラインシリーズにおいてアオシマが発売した橋立型砲艦は、初のキット化であると同時に、プラキットとしても唯一のものです。レジンキットとしては、ピットロード等から発売されたものがありましたが、あまり一般的に流通しませんでした。船体は一体整形のもので、錘は付属していません。艦橋窓と探照燈は、流行の透明プラパーツとなっています。船体上部構造物は、箱組みとなっています。同型艦「宇治」もキット化されています。

<作例>
 作例は、キット指定どおり大戦初期仕様で製作しています。全くの素組みであり、後部マストに軍艦旗を掲揚しました。腰高となるのですが、好みで喫水板を追加工作して喫水ラインを再現しています。舷窓は黒色で墨入れしています。

<感想>
 アオシマの最近のキットは、フジミのキットに刺激されていて、パーツの細分化が進んでいます。このため、WLとしては少し作り難い部分もあります。艦橋窓と探照燈の透明化も個人的には歓迎できません。
 しかしながら、シリーズ拡充への努力は大変評価するものであり、今後も、発売されていない艦艇の開発に期待したいところです。



旧日本海軍 航空母艦 龍鳳 1942

- 2013年6月19日完成 -
<キット>
 元々、航空母艦の商品化は戦艦や巡洋艦に比べて人気が無く、左右不対象な構造のために、詳細なデータ不足も重なってあまり活発ではありません。しかし、大型空母の開発がほぼ終了している現在では、地味な小型空母の商品化も実現して来ました。同型艦のない“龍鳳”ではフジミとピットロード(PT)から、飛行甲板の短い状態と長い状態のバリエーション化がなされ、キットが発売されました。フジミは低価格、PTは高価格ですが、それぞれに良さがあるようです。

<作例>
 作例は、比較的安価なフジミのキットを使い、飛行甲板の延長前の状態を再現した“龍鳳1942”キットを組み立てました。ほぼ素組みですが、飛行甲板の艦載機着艦制止索と滑走制止索が再現されていないため、プラ棒にて再現しています。また、喫水板が無いので喫水ラインを再現できないため、プラ板を艦底に貼り増しして喫水ラインを再現しています。

<感想>
 フジミのキットは、大量に細分されたパーツの組み立てに苦労することが多く、また、パーツ成形も良くない部分があるため、気軽に製作とは行きません。それでも苦労して完成させることが出来れば、喜びも大きいキットとなるでしょう。
 今後の展開に期待したいところですが、最近はメジャー艦ばかりの開発となってしまったところが少し残念です。もう少し、マイナー艦も開発してくれると嬉しいのですが・・・。



海上自衛隊 あきづき型護衛艦 DD-162てるづき 1985

- 2013年5月12日完成 -
<キット>
 ピットロード(PT)が新たに展開し始めた“栄光の護衛艦シリーズ”。戦後の海上自衛隊創成期に活躍した艦艇たちをプラキットで発売してくれます。同社が強みとする海上自衛隊護衛艦キット。新鋭艦はウォーターラインシリーズでも開発され競合していますが、退役した艦艇についてはPTの独断場となっています。それまではレジンキットで発売されていた「あきづき型護衛艦(初代)」ですが、2隻ともプラキット化されました。

<作例>
 キットでは、竣工時と練習艦へ転籍する直前の最終時を作り分けできるように艦尾甲板を別パーツ化しています。
 キットの売りの一つである歩行帯のデカール再現は、デカールの色彩が少し明るすぎるのが欠点で、甲板の色との釣合いが取れません。作例では塗装により再現しています。
 メインマスト上部は少し形状が異なるため、プラ棒にて追加工作しています。

<感想>
 PTの国内生産キットは、パーツの成形や整合性がイマイチなためレジンキットのプラ版的印象が強いのがネックですが、力強いモールドでまとめられた艦容と貴重なアイテム選択に魅力を感じます。



    
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