戦艦 扶桑 旧日本海軍
 扶桑型戦艦1番艦
掲載:2008年01月02日
更新:2013年06月09日
 扶桑(ふそう)1944 <アオシマ製>
 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 117
    日本戦艦「扶桑」
    1/700 アオシマ 2007年発売


<実艦について>
扶桑型戦艦は日本初の超弩級戦艦であり、金剛型超弩級巡洋戦艦4隻に対応するため建造された戦艦です。計画では扶桑型戦艦は4隻を建造する予定でしたが、3番艦と4番艦は設計変更して伊勢型戦艦となりました。また、「扶桑」という名前は日本の別名で、当時の海軍がこの船に対する期待を大きく持っていたことが伺い知れます。
  • 1915年11月8日に呉海軍工廠で竣工。12月13日に第1艦隊第1戦隊に編入されました。
  • 1917年4月と1918年 2月に中国方面で行動しています。
  • 1923年9月には関東大震災の救援に従事しています。
  • 1925年および1926年に中国方面で行動。
  • 1928年3月に再び中国方面で行動、翌4月には香港方面で行動。
  • 1930年4月に横須賀海軍工廠にて第一次大改装工事に着手。1932年9月に呉工廠へ移動して工事を続け、1933年5月に第一次改装工事が終了しました。翌1934年 9月に呉工廠にて艦尾延長工事を実施し、1935年 3月に工事が終了しました。
  • 1937年2月には呉工廠にて第二次改装工事に着手し、1938年3月に工事終了。
  • 1939年3月に北支方面で行動します。1941年 4月10日に第1艦隊第 2戦隊に編入され、開戦を向えます。同年12月8日から13日、ハワイ攻撃機動部隊援護に従事。
  • 1942年4月18日、日本はドーリットル空襲を受けたため、米機動部隊攻撃を目的とし22日まで日本近海を行動しますが、捕捉は出来ませんでした。同年11月15日から1943年1月15日まで少尉候補生の練習艦となっています。
  • 1943年7月に機銃類増備、21号電探装備。8月17日にトラックへ出航。以降、1944年7月までトラック、シンガポール、リンガ泊地、ダバオなどで行動しています。
  • 1944年8月に呉工廠にて再び機銃類、電探を増備しました。同年9月10日に第二艦隊第2戦隊に編入され、10月22日にレイテ沖海戦に参加。戦艦「山城」、重巡「最上」、朝潮型駆逐艦3隻、白露型駆逐艦「時雨」とともにスリガオ海峡へ向い、24日に敵艦載機の攻撃を受けましたが、損害微小。25日にはスリガオ海峡で待ち伏せていた、敵戦艦6隻、重巡4隻、駆逐艦26隻、魚雷艇37隻と交戦し、敵の魚雷を受けて爆発炎上し、後に沈没してしまいました。
<キットについて>
ウォーターラインシリーズの戦艦のリニューアルは、フジミの脱退により金剛型をハセガワが再開発したことから始まりましたが、自社製品のリニューアルとしては1998年のタミヤの大和型からであり、その後、アオシマの長門型、ハセガワの伊勢型と続きました。
そして、2007年に至り、最後に残っていた扶桑型が待望のリニューアルとなりました。先代キットでは船体形状や艦橋形状など何れもあまり良い評価をされなかったのですが、今回、面目を一新し、すばらしい出来となって発売されました。ただし、艦橋形状や煙突周りなどの形状をみると、最終時とするためには修正する必要があるようで、また、艦尾リノリウム甲板形状も修正が必要のようです。
但し、これらの修正点についてはそれらを裏付ける明確な資料が無いようなので、現在の有力説に従えばということになります。アオシマとしては前作のリニューアル作品であった独戦艦ビスマルク級がイマイチ良い評価を受けなかったため、その反省点も踏まえて全力投球した作品でした。したがって、キットの一般的な評価も良く、個人的にも完成時の艦容が非常に良いものと思います。
<作例について>
基本的には通例の素組みですが、艦橋と探照燈周りと艦尾航空作業甲板は実艦に近い形状に修正し、また、今回は専用エッチングを使用して追加工作を行っています。
  • 探照燈台座はエッチングを使用しました。
  • 煙突前部は電探室や野菜庫があったようなので、一部探照燈を撤去し、プラ板で追加工作しています。
  • 艦尾の航空機作業甲板のリノリウム形状は、僚艦「山城」のものと言われています。「扶桑」の形状に修正し、運搬軌条と旋回板の位置修正も行いました。
  • 機銃類はPT社の武装パーツセットのものに変更しています。
  • 艦橋トップの21号電探はエッチングを使用しています。
  • 艦橋最上部の防空指揮所形状は開戦頃のものと言われており、1944年時には拡張されていたようなので修正しています。
  • 船体側面にはプラ棒にて舷外消磁電路を再現しました。
  • 後楼上部のトップマストとヤードは真鍮線に変更し、シャープさを強調しました。
  • 艦首尾の旗竿はプラ棒の極細を使用してシャープさを強調しました。
  • 煙突両脇には13号電探をPT武装パーツより調達し、取り付けました。
船体色はGSIクレオスの艦船カラーより佐世保工廠グレーを選びました。リノリウム色はピットロードの艦船カラーよりリノリウム色を選択。甲板はタン色にタミヤのエナメルカラーでアクセントを付けます。艦底色や黒色および白色など、その他はすべてGSIのMr.カラーを使用しています。なお、大戦末期仕様なので、キャンバス色にはガルグレー色を使い、戦いに疲れ た雰囲気を出しました。
最後にタミヤのエナメルカラー黒色を使用して、艦舷の窓などをスミ入れし、全体を3/4半艶で吹いて完成です。

      
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