戦艦 山城 旧日本海軍
 扶桑型戦艦2番艦
掲載:2012年05月02日
修正:2014年11月04日
 山城(やましろ)1941 <アオシマ製>
 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 118
    日本戦艦 「山城」
    1/700 アオシマ 2007年発売
 

<実艦について>
扶桑型戦艦は日本初の超弩級戦艦であり、金剛型超弩級巡洋戦艦 4隻に対応する戦艦として建造されました。計画では4隻を建造する予定でしたが、3番艦と4番艦は設計を変更して伊勢型戦艦となりました。
 「山城」は扶桑型戦艦2番艦となりますが、1番艦の「扶桑」が幾度の改装工事により 3番砲塔の係留位置を艦尾向きから艦首向きに変更し、前楼基部の肥大化に支障を起こしたのとは違い、3番砲塔を竣工当時のまま艦尾方向に係留させている「山城」では改装によって肥大、複雑化する前楼を無理なく立体化することができたため前楼下部は安定した形状となり、同型艦「扶桑」とは大きく異なる艦容となりました。
  • 1917年3月31日に横須賀海軍工廠で竣工。4月1日に第1艦隊第1戦隊に編入されました。
  • 1918年2月27日より、中国方面警備に従事します。
  • 1923年9月には関東大震災の救援に従事しています。
  • 1925年および1926年に中国方面で行動。
  • 1927年7月28日、連合艦隊演習のお召艦となる。
  • 1930年12月27日より横須賀海軍工廠にて第一次大改装工事に着手します。1934年11月15日に工事が終了し、第 1艦隊第1戦隊に編入されました。
  • 1935年3月より中国方面で行動します。
  • 1937年6月27日より横須賀海軍工廠にて第二次大改装工事に着手し、1938年3月31日に工事終了。
  • 1940年3月1日、第1艦隊第1戦隊に編入されました。
  • 1940年3月26日から南支方面で行動します。1941年3月15日に第2艦隊第5戦隊に編入され、練習兼警備艦となります。10月31日に第1艦隊第2戦隊に編入され開戦を向かえます。
  • 1942年4月18日、日本はドーリットル空襲を受けたため、米機動部隊攻撃を目的とし22日まで日本近海を行動しますが、捕捉は出来ませんでした。
  • 1942年5月29日よりミッドウェー海戦に参加。6月6日、作戦中止によりアリューシャン作戦支援のため北上。
  • 1942年9月より訓練に従事。
  • 1943年10月にはトラックへ輸送任務に従事。11月5日には敵潜水艦の雷撃を受けますが、被害はありませんでした。
  • 1944年2月25日に第2戦隊解体により練習艦となり訓練に従事。7月20日に横須賀工廠にて機銃類、電探を増備しました。 9月10日に第2艦隊第2戦隊に編入され旗艦となります。10月22日にレイテ沖海戦に参加、戦艦「扶桑」、重巡「最上」、朝潮型駆逐艦3隻、白露型駆逐艦「時雨」とともにスリガオ海峡へ向い、24日に敵艦載機の攻撃を受けましたが、損害微小。25日にはスリガオ海峡で待ち伏せていた、敵戦艦 6隻、重巡 4隻、駆逐艦26隻、魚雷艇37隻と交戦し、敵の魚雷を受けて「扶桑」が爆発炎上したのを初め、朝潮型駆逐艦も次々と被雷し沈没、「山城」も体制を立て直して反撃しますが、敵戦艦と重巡のレーダー射撃による集中攻撃を受け炎上し、転覆沈没してしまいました。
<キットについて>
ウォーターラインシリーズ(WL)の戦艦のリニューアルは、フジミのWL脱退により金剛型をハセガワが再開発したことから始まりましたが、2007年に至り扶桑型開発担当のアオシマが扶桑型のリニューアルを行いました。先代キットでは船体形状や艦橋形状など何れもあまり良い評価をされなかったのですが、今回の新キットは面目を一新し、すばらしい出来となって発売されました。ただし、船体上部構造物を同型艦「扶桑」と別パーツ化して差別化に努力している反面、船体パーツが「扶桑」と共通となっていて「山城」の形状をしていません。ただ、艦尾リノリウム甲板形状はリサーチミスだったのか「扶桑」ではなく「山城」となっています。前楼トップ形状はキット指定のレイテ沖海戦時を表す場合、修正する必要がありますが、開戦時を表す場合は修正不要となります。
このようにマイナス評価もあるキットですが、発売当初はキットの一般的な評価も高く、個人的にも完成時の艦容が非常に良いと思います。この好キットが、2012年 7月にリテイクすることになり、船体の甲板構造物がより実艦に近いものとなります。 
 個人的な考えではありますが、アオシマのWLに対する思い入れは素晴らしく、今後も応援したいと思っています。
<作例について>
基本的には通例の素組みですが、前楼頂部の形状修正をしない方向で作業を行うため、仕様を開戦頃に変更しました。よって、キット指定の機銃取り付けを大幅に減少させています。また、今回は専用エッチングを使用して追加工作を行っています。
  • 探照燈台座は一部エッチングを使用しました。
  • 機銃類はPT社の武装パーツセットのものに変更しています。
  • 船体側面にはプラ棒にて舷外消磁電路を再現しました。
  • 後楼上部のトップマストとヤードはプラ丸棒に変更し、シャープさを強調しました。
  • 艦首尾の旗竿はプラ棒の極細を使用してシャープさを強調しました。
  • パンダグラフ式ボートダビットを別売りのエッチングにて再現しました。
  • 艦載艇は不足している15m 内火艇と長官艇をPT艦船装備セットやジャンクパーツより調達し、取り付け位置もキット説明書と実艦では異なっているため、資料に準拠しています。
  • 船体側面中央部にプラ棒にて汚水捨て菅を再現し、同型艦「扶桑」を表しているキットの汚水管モールドを削除しました。
船体色は GSIクレオスの艦船カラーより佐世保工廠グレーを選びました。リノリウム色はPT社の艦船カラーよりリノリウム色を選択。甲板はタン色にタミヤのエナメルカラーでアクセントを付けます。艦底色や黒色および白色など、その他はすべて GSIの Mr.カラーを使用しています。
最後にタミヤのエナメルカラー黒色を使用して、艦舷の窓などをスミ入れし、全体を3/4半艶で吹いて完成です。
<建造について>
建造工程については下記のアイコンよりお入りください。

      
inserted by FC2 system