戦艦 陸奥 旧日本海軍
 長門型戦艦2番艦
掲載:2014年08月27日
修正:2019年12月20日
 陸奥(むつ)1941 <アオシマ製>
 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ  116
    日本戦艦「陸奥」
    1/700 アオシマ 1999年発売
 

<実艦について>
1920年度に計画された、主砲が40p以上の戦艦 8隻と巡洋戦艦8隻を建造する八八艦隊計画の第2番艦として横須賀工廠で建造されました。
完成間際にワシントン軍縮条約が開催される予定となり、突貫工事により表向きは竣工させました。しかし、英米は日本の意図を見抜き軍縮条約において「陸奥」を未完成艦として廃艦とするよう主張、対する日本は全力で対抗した結果、妥協案により何とか了承された戦艦です。しかし、この妥協案は英米に新たな戦艦建造枠を与える結果となりました。この新な建造枠を使い、英国はネルソン級戦艦2隻、米国はコロラド級戦艦 3隻を建造し、日本の長門型戦艦2隻と合わせた 7隻はすべての艦が当時最大口径の艦載砲40.6p連装主砲を搭載していたため、条約失効までの間“ビックセブン”といわれて世界で有名になりました。
「陸奥」は完成当時、40.6p連装砲を 4基搭載し、高速の26.5ノットを発揮する超一流の戦艦として誕生しました。完成後にワシントン軍縮条約によって新たな戦艦が建造されなかったため、長らく連合艦隊最強戦艦として活躍しました。太平洋戦争開戦前に大改装を行い、2本あった煙突は1本となり、また前楼は複雑になるなど艦容は重圧なものに一変しています。
太平洋戦争では、近代化改装により重量が増えたのに反し、機関の改装がされなかったために速力が25ノット程度となり、この戦で主役となった機動部隊とは速力不足により行動を共にすることができない状態でした。従って、開戦以来ほとんど活躍できない状態でしたが1943年に瀬戸内の柱島沖に停泊中に謎の大爆発を起こし、船体が避けて轟沈するという悲運で艦命を終えました。
爆沈の原因については、現在でも解明されていません。
<キットについて>
ウォーターラインシリーズの戦艦「陸奥」は二代目となり、初代キットはシリーズナンバーが10で、1971年に発売されたものでした。このキットは同型艦「長門」とまったく同じキットであり、実質的に箱替えキットでした。1992年にフジミがシリーズから脱退したためシリーズを再編することとなり、シリーズナンバー 101に変更され発売されました。
この101キットのリニューアルが1999年に行われ、シリーズナンバーが116として新発売されました。アオシマとして旧キットのリニューアルを最初におこなったキットです。キット発売当時の一般的評価は良好で、先代キットの弱点を修正した良い出来でした。このキットの発売により、アオシマの艦艇モデルのイメージが大きく変わったと思っています。
現在では、フジミからも最近の精密志向に対応した「陸奥」が発売されており、10年前に先行発売されたアオシマのこのキットでは詳細な形状やモールドが省略ぎみで高い評価を得られないようです。しかしながら、個人的には気軽に製作するならお勧めのキットで、ほど良い苦労で製作できるものと思います。キットの欠点としては、主砲砲身が幾分細く感じられ、41センチ砲の威力に欠ける印象を与えてしまうところと後部マストトップが省略し過ぎなところです。
<作例について>
我が造船所、通例の素組みですが、以下の追加工作を行っています。
  • 艦橋基部の予備指揮所は同型艦「長門」と異なる部分であり、本艦では開放窓となっています。間に支柱があるのでプラ棒にて再現しました。この部分、平時にはキャンバスで被われていることが多いようです。
  • 探照灯台脇のボートダビットは長門型独特の形状です。キットでは省略されていますので、プラ棒と伸ばしランナーにて追加しました。
  • 機銃類はピットロードの旧艦船装備セットのものに変更しています。
  • 後楼上部は長門型独特の複雑な形状で、1番艦「長門」との違いもあり良いアクセントになります。キットではほとんど省略していますので、伸ばしランナーとプラ棒を使い、ある程度再現しました。
船体色はGSIクレオスの艦船カラーより佐世保工廠グレーを選びました。リノリウム色はPT艦船カラーより、リノリウム色を選択。甲板はタン色にタミヤのエナメルカラーでアクセントを付けます。艦底色や黒色および白色など、その他はすべてGSIのMr.カラーを使用しています。
最後にタミヤのエナメルカラー黒色を使用して、艦舷の窓などをスミ入れし、全体を半艶で吹いて完成です。
<建造について>
建造工程については、下記のアイコンよりお入りください。 
 

      
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