「阿武隈」 旧日本海軍
 加賀型航空母艦
掲載:2012年06月03日
修正:2019年12月21日
 加賀(かが)1938 (大改装後) <ハセガワ製>
 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 220
    日本航空母艦「加賀」
    1/700 ハセガワ 1973年発売

<実艦について>
実艦の艦歴を以下にまとめてみました。
  • 1920年7月9日、神戸川崎造船所にて戦艦として起工します。
  • 1923年12月13日、横須賀工廠で空母へ改装工事が開始されます。
  • 1928年3月31日、航空母艦「加賀」として竣工しました。1929年11月30日、第1航空戦隊に編入されます。
  • 1930年3月28日、青島方面で行動します。
  • 1932年1月29日、上海事変参加のため、佐世保を出航。
  • 1933年10月20日、佐世保工廠にて大改装工事を実施、飛行甲板を全長として1枚甲板にしています。
  • 1935年11月15日、第2艦隊第2航空戦隊に編入されます。
  • 1937年 8月10日、日華事変により寺島水道を出航、北支派遣輸送船隊護衛任務に従事します。15日には上海上空警戒を実施。27日より翌月26日まで上海沖にて陸戦隊を支援、南京空襲および揚子江艦艇攻撃を実施。10月6日、南支方面作戦に従事します。11月5日、上海上陸作戦を支援。24日広東方面攻撃、12月12日より翌年1月21日まで南支方面各地を爆撃。
  • 1938年2月28日、横須賀を出航し南支方面で行動、広東爆撃に従事します。10月12日、広東攻略作戦を支援。
  • 1938年12月15日より佐世保工廠にて飛行甲板の延長、艦橋装備などを実施。
  • 1940年11月15日、第2艦隊第1航空戦隊に編入されます。
  • 1941年4月10日、第1艦隊第1航空戦隊に編入され、11月26日に単冠湾を出撃、12月8日にハワイ攻撃を実施します。
  • 1942年1月20日にラバウル攻撃、21日にカビエン攻撃、22日に再びラバウル攻撃を実施。2月19日にはポートダーウィン攻撃、3月1日にはジャワ島南方海面にて敵艦船を攻撃。5日にはジャワ島チラチャップ攻撃を実施。
  • 1942年6月5日、ミッドウェー海戦参加。敵急降下爆撃の攻撃により被弾炎上し、誘爆によって大火災となり総員退艦。ガソリン庫に引火して大爆発を起こし沈没しました。
<キットについて>
1971年に発売が開始されたウォーターラインシリーズ(WL)の中で、2年後となる1973年に発売されたキットで、同世代はタミヤの「準鷹」、アオシマの「雲龍(初代キット)」があります。キットは、近年にフジミから 1/700のキットが発売されるまで、唯一のプラキットとして40年位存在してきました。WLの初期開発キット群において、比較的新しいキットであったため、モールドもシャープで組み立ても容易な設計となっており、誰でも気軽に空母「加賀」の重圧な艦容を楽しめることでしょう。
しかし、最近では実艦の研究も進み、開発当時よりも詳細なデータが公表されていることもあり、実艦と異なる箇所も多く指摘されてきています。実艦に忠実に再現するとなると、船体形状から飛行甲板まですべてに手を加えることになり、それなりの技量と覚悟が必要となります。そう言った意味では、新キットのフジミ製を製作する方が無難です。但し、フジミのキットは製作がより難しいので、十分考慮してキットを選択してください。
キットでは、大戦中の姿を表していますが、飛行甲板の白線は日中戦争時の1938年頃となっています。船体は艦尾形状がすん止まりぎみで、実艦とは大きく異なっています。また、艦側面の左側は形状が異なる部分が多くなっています。艦橋形状も中途半端に似ている印象を受けます。
<作例について>
船体の艦尾形状の修正は行わず、艦側面の左舷側の形状修正と艦橋形状修正に的を絞って行いました。飛行甲板は1938年頃を表しているため、仕様を戦前仕様に変更しています。追加工作は以下のとおりです。
  • 格納庫左舷前部の舷外通路の削除。
  • 舷側通路をリノリウムで塗装。
  • 主錨のモールドを削除し、付属パーツにより新たに再現。
  • 右舷前部及び左舷前部高角砲基部を再現。
  • 左舷主砲指揮所の修正。
  • 右舷煙突前部の水面見張り所撤去。
  • 艦橋構造物の修正。
  • 右舷主砲指揮所再現。
  • 左舷測距儀の作成。
  • 左舷航空機の発動機調整所再現。
  • 機銃スポイソンの支柱再現。
船体は大きさから佐世保工廠グレーで塗装。飛行甲板はGSIのMr.カラー“タン”を使用し、タミヤのエナメルカラー“ブラウン”でインパクトをつけました。リノリウム色はピットロード艦船カラーより調達。艦載機はアオシマから別売りの96式艦戦と96式艦爆および96式艦攻を搭載させました。艦上機の塗装は、土色と緑色のツートン迷彩。WLの艦載機としては脚が別パーツで取り付けが繊細です。
なお、作例では発艦準備中を再現していますが、作品保管の関係で倒立式マストは立った状態にしていますが、本来は水平とするべきです。
<建造について>
建造工程については、下記の艦船アイコンをクリックしてください。

     
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