「阿武隈」 旧日本海軍
 海鷹型商船改装航空母艦
掲載:2009年11月29日
修正:2020年03月02日
 海鷹(かいよう)1944 <フジミ製>
 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • シーウェイモデル特シリーズ 18
    日本海軍航空母艦「海鷹」
    1/700 フジミ 2009年発売


<実艦について>
「海鷹」は商船「あるぜんちな丸」を改装した特設改装空母です。本来、同型艦として商船「ぶらじる丸」が存在していましたが、空母改装される前に沈没していますので同型艦がありません。空母としては小型過ぎたため、発達の激しい新鋭艦載機の性能に対応出来ず、また、速力が遅くて艦隊行動にも支障があるなど、大戦後期の戦術運用では大幅に制限をうける空母でした。よって、海戦に参加する戦闘艦ではなく、物資輸送を護衛する護衛艦や訓練艦として活躍した艦です。
  • 1942年12月20日、三菱長崎造船所にて商船「あ ちな丸」は空母への改装工事着工。
  • 1943年11月23日、空母「海鷹」として竣工。連合艦隊付属に編入されます。
  • 1944年1月〜2月、マニラ、シンガポール、パラオで行動。
  • 1944年2月11日、海上護衛総司令部付属に編入されます。以降、トラック、サイパンで行動。
  • 1944年3月17日、第 1海上護衛隊に編入されます。以降、シンガポールやマニラにて船団護衛に従事。
  • 1945年3月19日、呉付近にて米艦載機の爆撃を受け損傷します。その後、別府湾方面にて訓練目標艦になります。
  • 1945年7月24日、別府湾にて触雷し、日ノ出海岸に座礁。
  • 1945年8月20日、浸水増加により、かく座のまま放棄され終戦を迎えます。同年11月20日に除籍されました。
<キットについて>
1/700空母「海鷹」のインジェクションキットは、フジミのシーウェイモデル( SWM)特シリーズより発売されています。 SWMは、元々フジミがウォーターライン(WL)に参画して開発したキット群を、WL脱退後に独自に発売したシリーズで、空母「鳳翔」や米海軍現用艦の開発などを行って独自性をアピールしていました。
特シリーズは大和型戦艦の発売とともにシリーズ化された 1/700の新シリーズで、フジミがWLに対抗して発売する姿勢を明確にしたものです。大和型戦艦と妙高型重巡はWLに対抗したものですが、その他の多くはWLでは発売されていないものが多く、存在意義が高いシリーズとなってきました。同社のリニューアルとして戦艦「金剛」と「榛名」の発売は好評であり、今後は重巡「利根」の発売も予定されています。また、WLに対抗したキットとしては戦艦「長門」が予定されており、バラエティーに富んだ要素で開発していることが面白いと感じます。しかし、キットの出来がシリーズで均一化されていないのも事実であり、この「海鷹」やWLと重複しない多くのキットはどちらかというと”あっさりした”仕上がりで、「金剛」と「榛名」のような繊細なモールド感を持たないところが気になります。また、「海鷹」を初め、多くのキットにエッチングパーツが常備されていますが、不慣れな人は敬遠しそうですね。ただし、取り付けはあまり難しくない箇所に使用されており、評価が難しいところでもあります。それでも、発売アイテムとしては非常に貴重な艦艇を選択しており、大変うれしい思いをさせてもらっているのも事実です。
「海鷹」キットはモールド感が寂しいのと、パーツの合いがちょっと良くないのであまり良い評価を得られなかったキットですが、客船時代のキットも発売されて一定の評価を得られているようですね。
<作例について>
船体パーツの合いは不良で隙間が目立ちますので、対処する必要があります。キットにはエッチングパーツが付属されており、作例ではすべて使用しています。ほぼ素組みですが、追加工作は以下のとおりです。
  • 機銃類はピットロードの武装パーツに交換しています。
  • 無線塔はプラ丸棒にてディティールアップしています。
艦載機は97艦攻のみ搭載させました。甲板迷彩は架空で、実艦では詳細不明です。作例では空母「瑞鳳」や「千歳」のものを参考としています。白線はキットにデカールが付属されていないものを購入したため、塗装による再現です。塗装色は舷外21号、22号色をGSIクレオスのMr.カラーより選択しました。甲板迷彩は濃緑色、黒色、日本戦車色を選択しました。
<建造について>
建造工程については、下記の艦船アイコンをクリックしてください。 ↓

      
inserted by FC2 system