「阿武隈」 旧日本海軍
 龍驤型航空母艦
掲載:2010年09月14日
修正:2019年12月21日
 龍驤(りゅうじょう)1934 (第一次改装後) <フジミ製新キット>
 左舷前方からの眺望
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 右舷後方からの眺望
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<使用キット>
  • シーウェイモデル特シリーズ 34
    日本海軍航空母艦「龍驤 −第一次改装後−」
    1/700 フジミ 2010年発売

<実艦について>
「龍驤」はワシントン海軍軍縮条約の条約外補助空母として計画された小型空母です。原計画では「鳳翔」の改良型として搭載機数24機、排水量9,800t、30ノットでした。建造中に軍令部より搭載機数を36機に増加する命令が出され、格納庫を一段式から二段式に改めて完成しました。このため、計画より重心点が上昇し、船体は乾舷が減少、主任設計官の藤本造船大佐は建造に苦労されたようです。当初より復元性能が悪かった本艦は、友鶴事件により竣工してすぐに復元性能改善工事(第一次改装工事)を実施しました。

本艦は、1929年11月26日横須賀工廠にて起工され、1933年4月1日に竣工、25日の特別大演習中に第2航空戦隊に編入されます。

同年10月20日、第一艦隊第一航空戦隊に編入。1934年5月26日より、呉工廠にて復元工事と飛行機着艦装置の新設工事を実施。8月20日に工事が終了し、 9月に旅順、青島方面で行動します。

1935年3月には馬鞍群島方面で行動。9月26日津軽沖にて大演習中、台風に遭遇して損傷。いわゆる第 4艦隊事件といわれる出来事です。この後第二次改装工事を実施して性能的に安定し、大戦へ参加します。

<キットについて>
1/700 空母「龍驤」のプラキットは、元々ウォーターラインシリーズ(WL)のフジミから1973年に発売された、第二次改装後仕様のものがありました。このキットは、1992年よりフジミのシーウェイシリーズとして現在でも発売されています。2010年に至り、このキットのリニューアル版としてフジミのシーウェイ特シリーズから第一次改装後と第二次改装後のキットが発売されました。作例に使用したものは第一次改装後の復元性能改善工事後の姿を再現したもので、重心点の上昇を防ぐため竣工当時に装備していた片舷3基の12.7p高角砲を1基減らし、25o連装機銃に変更しています。また、傾斜した場合に煙突の開口部より海水流入を防ぐ理由から、煙突の誘導方法を左舷の中段から上段より外に伸びる形に修正しました。喫水線には浮力の保持のためバルジを装着しています。

先代のキットは、 1/700の「龍驤」プラキット唯一のものとして30年以上存在していましたが、考証的には実艦と異なる部分が多いキットでした。今回の新キットは細かく見ると実艦と異なる部分も多いようですが、旧キットよりは考証的にも正しいものとなっています。モールドは2010年のキットとしては平凡的なもので、キットパーツの合いはあまり良くありません。組み立て説明書も不備が目立つため、初心者には難しいキットと言えるでしょう。私も製作では大変苦労しました。

<作例について>
作例はちょっと修正を行っています。追加工作は以下のとおりです。
  • 艦橋部前面の2.5m測距艤をピットロードの武装パーツより3.5mのものを加工して再現。
  • 艦橋部左右前端の1.5m測距艤は説明書には取り付け指示がありませんが、余剰パーツにて再現。
  • 艦首側機銃台座の支柱をキットの余剰パーツにて再現。
  • 右舷艦首側倒立式マストをピットロードの武装パーツに交換し、トラス構造を再現。中段から上はキットパーツを使用しました。
  • 左舷艦首側倒立式マストの修正。
  • 遮風板を塗装で表現。
  • 艦首形状の修正しフレアとシアーを再現。
  • 菊花紋章をWLのパーツより調達。取り付けプレートをプラ板で再現。
艦載機は90式艦戦、13式艦攻が3機ずつ付属。すべてを搭載させました。塗装は説明書に指示がないため、ハセガワのものを使って塗装しています。

<建造について>
建造工程については、下記の艦船アイコンをクリックしてください。 

      
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