「阿武隈」 旧日本海軍
 蒼龍型航空母艦
掲載:2010年11月01日
修正:2014年04月25日
 蒼龍(そうりゅう)1942 (ミッドウェー海戦時) <アオシマ製新キット> 
↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 222
    日本航空母艦「蒼龍」
    1/700 アオシマ 2009年発売
 

<実艦について>
「蒼龍」は、元々航空巡洋艦的なものとして計画されていました。巡洋艦の高速が発揮できる船体に主砲を積み、航空機を発着できる甲板を有する軍艦です。しかし、計画が進んでいる頃に「友鶴事件」や「第四艦隊事件」が発生し、旧日本海軍艦艇の軍艦としての能力や艦自体の強度について疑問が投げかけられます。結果、当時では個艦の排水量に対する過剰な武装搭載の傾向が強かった軍艦の設計自体が改められることになりました。こうした背景により、「蒼龍」も純粋空母として建造されました。

1937年12月29日呉工廠にて竣工し、第二艦隊第 2航空戦隊に編入されます。1938年〜1940年にかけて南支、北支方面で行動。1941年4月10日に第一航空艦隊第二航空戦隊に編入されます。同年11月26日、機動部隊として単冠湾を出撃し、12月8日にハワイの真珠湾を攻撃しました。12月21日から23日までウェーキ攻略作戦に協力。1942年1月にはアンボン攻撃、2月にポートダーウィン攻撃、3月にジャワ南方にて艦船攻撃、チラチャップ攻撃、クリスマス島攻撃、セイロン島作戦に参加、4月にはコロンボ攻撃、ツリンコマリ攻撃と快進撃を続けます。
そして、突然の最後が訪れます。1942年5月27日に柱島を出撃、ミッドウェー海戦に参加するのです。南雲艦隊の一艦としてミッドウェー島の航空戦力殲滅を行っていた本艦は、6月5日にミッドウェー北方にて敵空母艦載機の爆弾3発の直撃を受けて炎上。火災を鎮火することが出来ず、爆弾庫に火が回って爆弾の誘爆により大爆発を起こしたのちに沈没しました。
<キットについて>
1/700 空母「蒼龍」のプラキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマから発売されていますが、現在発売されているキットは2009年にリニューアルされたキットです。先代のキットは1972年に発売されたものでしたが、WLでは評判が悪いキットでした。理由は、開発当時の資料不足です。「蒼龍」は謎だらけの空母なのです。姉妹艦と言える「飛龍」の残存資料が比較的豊富なこともあり、対照的です。この謎めいた空母「蒼龍」をアオシマは精一杯努力してリニューアルしてくれました。感謝につきます。
先代キットでは、開発当時に不明箇所が多かったせいもあって、ほとんど間違いだらけの形状をしています。新キットでは、これらの間違いはすべて改正されており、現時点での正しい「蒼龍」が作れることでしょう。
個人的には、艦橋の防空指揮所形状が竣工時から沈没時まで変化が無かったものと考えていますが、キットでは、現存する改装工事の図面を基に3つの形状を想定してバリエーション展開したキットを発売しています。WLの定番キットは1941年の真珠湾奇襲作戦時を再現したもので、艦橋上部の防空指揮所を拡張したものとなっています。限定版として1938年の竣工時の再現キットと1942年のミッドウェー海戦時仕様を発売し、それぞれ艦橋パーツの差し替えや飛行甲板のマーキング変化を専用デカールにて再現しています。
<作例について>
作例はちょっと修正を行っています。追加工作は以下のとおりです。
  • 艦橋上部防空指揮所は竣工時の形状に修正。
  • 飛行甲板のマーキングをミッドウェー海戦時仕様に変更。
  • 滑走制止索を伸ばしランナーにて再現。
  • 倒立式無線塔を伸ばしランナーにて追加工作。
  • 艦載機は別売りのもので補充。
艦載機は零戦21型と97式艦攻を搭載させました。ミッドウェー島攻撃時の編成を再現するためです。艦戦はキット付属のもののみ。艦攻は18機を並べるため、14機は別売りの旧パーツで補充です。シリーズの艦載機はそろそろリニューアル時期が来ているようですね。^^;
<建造について>
建造工程については、下記の軍艦アイコンをクリックしてください。 

     
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