「阿武隈」 旧日本海軍
 雲龍型航空母艦 3番艦
掲載:2006年11月23日
修正:2020年03月02日
 葛城1944 <ピットロード製>

 
<使用キット>
  • スカイウェーブWシールズ 68
    日本航空母艦「葛城」
    1/700 ピットロード 2005年発売
 

<実艦について>
実艦の行動を簡単にまとめてみました。
  • 1942年12月8日、呉工廠にて起工し、雲龍型航空母艦 3番艦として1944年10月15日に竣工しました。
  • 1945年3月19日呉付近にて米空母艦載機と交戦し、命中弾 1発を受けます。7月24日にも米艦載機と交戦し、左舷中部に命中弾 1発を受けます。さらに、7月28日にも米空母艦載機と交戦し、飛行甲板に命中弾 2発を受けますが航行可能状態で終戦を迎えました。戦後、最大級の復員輸送船として活躍します。
  • 1946年12月22日より大阪の日立桜島により解体工事が始まり、1947年11月30日に解体工事が終了し、その姿は永遠に失われました。
<キットについて>
1/700 空母「葛城」のプラキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマとスカイウェーブシリーズ(SW)のピットロードから発売されています。SWのキットは最近開発されたもので、考証的にもWLより実艦に忠実です。今回はSWのキットを作成しました。このキット、金型は中国のトランペッター社が製作しています。国内産のピットロード製キットに比べると、少々モールドやパーツの整形が不安定で組みにくいのですが、十分に基本的な作業を行えば、すばらしい作品が出来上がると思います。
一つ、注意点として、飛行甲板を船体に取り付ける際に甲板がきちんと水平を保っているか確認してください。私は飛行甲板を接着した後に確認したため、ゆがみがあることに気づいた時には...”既に遅し”という状態でした。
<作例について>
基本的には素組みですが、以下の追加工作を行っています。
  • 艦橋トップの21号電探と到立式マストは、ファインモールドのエッチングパーツに交換しました。なお、倒立式マストの上部は0.3oのプラ棒を使用し、船体部分のモールド感と調和するように心がけました。
  • 噴進砲架台支柱は板状表現だったため、削り取ってプラ棒に変更しました。
  • キットパーツでは機銃、高角砲などの架台支柱が円柱なのですが、「葛城」は戦時急造艦としての特長が色濃く現れているため四角柱です。「雲龍」などの僚艦との違いを出すため、プラ棒の四角柱にすべて交換しています。
  • クレーンのワイヤーはキットパーツでは少し太いので、0.3oのプラ棒に変更しました。
  • 艦橋窓枠は、キットでは上下が少し大きいので、窓枠モールドの下部に0.3oのプラ棒を埋め、上下の開口部を少し小さくしました。この作業により、艦橋部分の印象がグッと良くなるのでお勧めです。
  • メインマストの支柱は副柱が板状表現なので、0.5oのプラ棒に変更しています。横棒は0.4oのプラ棒で追加工作しています。
  • 応急舵の取り付け位置は、説明書では「雲龍」や「笠置」の位置となっています。「葛城」では作例のように位置が違うので気をつけましょう。なお、キットパーツは少々大きくて所定の位置に入らないため、上部を少しカットしています。
  • 架台支柱基部はキットのように曲面ではなく、平面で構成された多角形です。少し削り、面出ししています。
  • 膨らみが小さい場所はプラ板を貼って再現しました。
船体は、対戦迷彩の舷外21号色と舷外22号色です。GSIクレオスの艦船カラーを使用しています。飛行甲板部は対空迷彩ですが、キットのカラー塗装図を参考に少し自己流の考え方を加味しました。使用色は黒、暗緑色、土草色です。
また、迷彩は一部デカールを使用しています。なお、艦の水平部分もすべて暗緑色で塗装しました。艦尾着艦標識は「葛城」独特の”くの字”模様です。また、色彩は資料によると緑色と白色のようなので、そのように塗装しました。
キットでは艦載機として「彗星」と「彩雲」が2機ずつセットされています。今回は、「彗星」のみ搭載しました。

      
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