巡洋艦 青葉 旧日本海軍
 青葉型一等巡洋艦1番艦
掲載:2007年12月08日
修正:2014年03月18日
 重巡 青葉(あおば)1945 (大戦後期仕様) <ハセガワ製>
 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 345
    日本重巡洋艦「青葉」
    1/700 ハセガワ 2007年発売


<実艦について>
青葉型は古鷹型を改良した改古鷹型巡洋艦とも言えるもので、船体は古鷹型に準じています。古鷹型との最大の相違点は主砲塔を連装3基にした点で、古鷹型の竣工時に搭載していた単装砲は軽防御に過ぎ、一定した速さで攻撃力の持続が難しいものだったと言われ、この点を改善したのが青葉型巡洋艦でした。
「青葉」は1927年9月20日に三菱長崎造船所にて竣工しました。同年12月1日に第2艦隊第5戦隊に編入され、1928年3月29日に有明湾を出発し、僚艦「衣笠」とともに青島方面で活躍。1940年11月15日に第1艦隊第6戦隊に編入され、1941年12月にはウェーキ作戦を支援。1942年1月にはラバウル攻略作戦に参加。3月にはサラモア攻略作戦、ブーゲンビル島攻略作戦に参加。4月にはモレスビー攻略部隊主隊として、5月にはサンゴ海海戦、8月には第一次ソロモン海戦に参加と目まぐるしく活躍。そして、同年10月11日のサヴォ沖夜戦では米艦隊のレーダー射撃を受けて損傷し、乗艦の司令官は戦死しました。
1943年4月3日にはメウエパセージにて敵の爆撃を受けて大破、軽巡「川内」に曳航されトラックで応急修理し、呉工廠にて本格修理を行います。同年11月25日に第1南遺艦隊第16戦隊に編入されシンガポール方面で輸送任務に従事。翌1944年10月23日にマニラ湾口付近で米潜水艦の雷撃を受け航行不能となり、軽巡「鬼怒」に曳航されてマニラに入港し修理に従事します。10月には 2度に渡ってマニラで米艦載機の攻撃を受け損傷し、11月に高雄に入港して修理に従事します。12月12日に呉に入港しましたが、損傷修理は行われずに呉港外で繋留されます。そして1945年7月24日に米艦載機の攻撃を受け損傷、28日に再度攻撃を受けて船体後部が切断し、着底。この状態で終戦を迎え、戦後に解体されました。
<キットについて>
ウォーターラインシリーズのリニューアルは緩やかに進行していましたが、2007年初頭に準同型艦古鷹型がリニューアルし、シリーズの重巡洋艦として最後に残っていた青葉型が、ついに2007年5月にリニューアルされました。
キットは古鷹型同様に、先代キットの弱点であった艦橋構造物の形状を修正した良好な出来であり、加えてハセガワとしての独自色を極力再現しようとしている意欲作です。艦上構造物側面には窓やハッチの再現が施され、繊細なモールドが全体を覆うようになっています。また、船体パーツが左右分割となったため、波型甲板形状をうまく再現することができた好キットです。ストレートに作成しても設定年時を1944年から1945年時で選択して再現できるように設計されており、また多少の追加工作で1943年時も再現可能なキットです。1941年から1942年を再現する場合は「衣笠」のキットを使用するほうが良いと考えます。
ただ、今回のキットでは前マストの省略が大きかったため、船体や上部構造物の正確な印象とマスト形状の不正確さとの間に大きな差が生じ、キットどおりに組み立てると少し物足りない印象を受けてしまうところが非常に残念です。また、艦橋トップの測的所天蓋のブルワークが成型不良で無かったのもキット印象を悪くしました。
<作例について>
我が造船所、通例の素組みですが、以下の追加工作を行っています。
  • 0.25o×0.5oプラ棒にて、舷外消磁電路を再現しました。
  • 0.14oのプラ板から0.5o径の円盤を作成し、舷側窓蓋を再現しました。
  • 25o機銃類はピットロード(PT)の武装パーツセットより調達し、換装しています。
  • 艦橋トップの測的所天蓋ブルワークはキットの成形不良のためプラ板で再現しました。
  • 前マストはプラ棒にて追加工作を行っています。
  • 艦載機運搬台はタミヤの余剰パーツから調達しています。
  • 旗竿を真鍮線にて再現しました。
船体色は我が造船所規定の重巡色、GSIクレオスのMr.カラー32を使用しました。リノリウム色はPT艦船カラーからリノリウム色を選択。その他、艦底色や黒色および白色などはすべてGSIのMr.カラーを使用しています。
最後にタミヤのエナメルカラー黒色を使用して、艦舷の窓などをスミ入れし、全体を半艶につや消しを混ぜたもので吹いて完成です。
<追伸>
我が「青葉」の建造で、教科書としたMG誌の青葉の製作者、新森氏より祝辞をいただきました。非常にうれしかったです。この場を借りてお礼申し上げます。<(_ _)>

     
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