<実艦について>
- 1934年の第二次補充計画により三菱長崎造船所で起工され、1939年5月20日に竣工しています。
大戦中は1941年12月にハワイの真珠湾奇襲作戦およびウエーキ島攻略作戦に参加、1942年1月にはラバウル方面攻略作戦に参加。2月にはポートダーウィン攻撃に参加。3月にはジャワ南方海面にて米駆逐艦「エドソール」と商船2隻を他艦と共同して砲撃により撃沈しています。その後、チャラチャップ攻撃、セイロン作戦に参加。4月にはコロンボ攻撃、ツリンコマリー攻撃に参加します。5月にはミッドウェー海戦、8月には第二次ソロモン海戦、10月には南太平洋海戦に参加して空母部隊護衛任務に従事しています。南太平洋海戦では、直撃弾と至近弾を受け損傷します。1943年は主にトラック方面で輸送任務に従事し、1944年6月には連合艦隊の決戦であるマリアナ沖海戦、10月にはレイテ沖海戦に参加。レイテ沖海戦では、レイテ湾にて敵の雷撃機の攻撃を受け、機関室が浸水して航行不能となり、駆逐艦「野分」の魚雷により自沈処分されました。
<キットについて>
- 重巡「筑摩」の1/700プラスチックキットは、シーウェイモデル(SWM)のフジミとウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマより発売されています。SWMキットは元々WLモデルとして発売されていたもので、1971年にWLがスタートした時にフジミが最初に開発した古参キットです。SWM
キットは開発が古いためか細かな部分でリサーチ不足で、一般的な評価はあまり良くありません。一方、WLキットは1992年にフジミがWLを脱退したことによりシリーズから「筑摩」キットが欠落したため、1993年にアオシマが新規開発したキットです。アオシマの「筑摩」は、竣工時の艦橋トップに防空指揮所が無い仕様で発売されました。リサーチも正しく、アオシマ特有の完成後の姿が良いものと個人的には感じていますが、開発が10年以上前になるため現在発売の新キット群と比べると多少モールドがあっさりしすぎているように感じます。
今回はWLキットを建造しました。なお、このキットにはWLのリニューアル用武装パーツが含まれていませんので、購入時にはこの点を踏まえて購入することをお勧めします。
<作例について>
- 作例は竣工当時の1939年仕様としました。基本的には素組ですが、武装パーツはピットロード社(以下PT社と略す)のものに交換しています。主な変更箇所は以下のとおりです。
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- 主砲塔、高角砲、機銃類をPT社の武装パーツセットに交換しました。
- 艦載艇をPT社の武装パーツセットより調達しました。
- 前部および後部マストトップをプラ棒で再現しました。また、マスト基部のトラス構造をプラ棒にて再現しました。
- 艦尾旗竿をプラ棒にて追加工作しました。
- 魚雷発射管を再現するため、モールドのみの発射口を開口し、内部に発射管を取り付けました。
- 最上甲板のリノリウム押さえを伸ばしランナーにて再現しました。
- 艦載機は竣工当時に載せていたと考えられる95式と94式の水偵をWLリニューアルパーツより調達し、搭載しました。
船体色は我が造船所の規定により、GSIクレオスの艦船カラーより軍艦色2のMr. カラー32で塗装しました。リノリウム色はPT社の艦船カラーよりリノリウム色を選択。その他、艦底色や黒色および白色などはすべてGSIのMr.
カラーを使用しています。
最後にタミヤのエナメルカラー黒色を使用して、艦舷の窓などをスミ入れし、全体を3/4艶消しで吹いて完成です。
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