巡洋艦 能代 旧日本海軍
 阿賀野型二等巡洋艦2番艦
掲載:2016年11月02日
修正:2016年11月02日
 軽巡 能代(のしろ)1944 <フジミ製>
 ↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
 ↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • シーウェイ特シリーズ 91
    日本海軍軽巡洋艦「阿賀野・能代」
    1/700 フジミ 2015年発売
 

<実艦について>
1943年6月30日に横須賀海軍工廠にて竣工後、同年8月15日に第二水雷戦隊へ編入されました。その後、第二水雷戦隊旗艦となり大和型戦艦1番艦「大和」等と共にトラック泊地へ進出しました。11月上旬のブーゲンビル島の戦いにおいて、「能代」を含む日本軍艦艇はラバウルに停泊中米軍の空襲を受けました。能代の被害軽微はでしたが、12月末のカビエン輸送作戦で小破。1944年1月下旬に横須賀に帰投して修理を行いました。6月には大和型戦艦 2隻(大和、武蔵)等と共に渾作戦およびマリアナ沖海戦に参加。10月下旬には、捷号作戦にともなうレイテ沖海戦へ、第二艦隊司令長官栗田健男中将指揮下の第一遊撃部隊に所属して大和型戦艦と共に参加。「大和」と共に撤退中の10月26日、米軍機の空襲により撃沈されました
  • 1941年9月4日に仮称133号艦として横須賀海軍工廠で起工し、1943年6月30日に竣工しました。
  • 1943年7月29日、第十一水雷戦隊指令の木村進少将が軽巡龍田より移艦し、臨時に第十一水雷戦隊旗艦になります。
  • 1943年8月15日、第二水雷戦隊に編入され、軽巡「長良」より旗艦を引き継ぎます。
  • 1943年11月、米軍のブーゲンビル島上陸が開始されたことより、トラックよりラバウルへ進出。戦闘が始まり、米空母サラトガとプリンストンを基幹とする機動部隊によりラバウル空襲を受けます。「能代」の被害は軽微でしが、各日本軍艦艇はトラックへ撤退。翌12月には戊号輸送作戦に投入され、物資陸揚げ後に米軍機の空襲を受け至近弾5発、直撃弾1発により小破します。トラックへ戻り工作艦「明石」の修理を受けました。
  • 1944年6月19日、マリアナ沖海戦に参加、前衛部隊として第二水雷戦隊旗艦任務を遂行。傘下の駆逐隊は第31駆逐隊(長波、朝霜、岸波、沖波)、第32駆逐隊(浜波、藤波、玉波)、及び駆逐艦島風でした。日本軍は空母「大鳳」、「翔鶴」、「飛鷹」などの機動部隊中核を失い海戦に惨敗しましたが、前衛部隊には沈没艦は無く「能代」も無事に帰港しました。
  • 1944年10月18日、捷一号作戦発動に伴いレイテ沖海戦が勃発。第二水雷戦隊旗艦として参加し、傘下の駆逐隊は第2駆逐隊(早霜、秋霜)、第31駆逐隊(岸波、沖波)、第32駆逐隊(浜波、藤波)、駆逐艦「島風」でした。10月26日、米機動部隊第38任務部隊による攻撃を受け、高角砲弾薬補給所に爆弾が命中して小火災が発生しましたが、鎮火に成功しました。その後、左舷中央に魚雷1本が命中して航行不能になり、曳航作業を実施中に再度攻撃を受けました。洋上停止状態で回避運動が出来ない状態だったこともあり右舷二番砲塔付近に魚雷が命中、このため、艦首より沈み始めて沈没してしまいました。
参考:ウィキペディア

<キットについて>
1/700「能代」のキットは、2015年にフジミから発売されたこのキットが初めてのプラキットになります。同型艦の「阿賀野」と「矢矧」は、1/700艦船模型では老舗のウォーターラインシリーズから1974年に発売された古参キットがあり、長いこと「能代」を製作するにはこれらのキットを改造するのが常道でした。

しかし、このフジミが発売したキットは、「能代」と「阿賀野」を選択して作り分けるキットであり、「能代」単艦を製作するキットではありません。キット一つで一隻しか作ることができないのですが、一隻を作るには同型艦のパーツが同封されているため、割高な価格となっているのです。生産者側の理由は十分にわかるのですが、消費者側からするとあまり良い設定とは言い難いキットです。

キットパーツはネームシップの「阿賀野」との作り分けが細かく出来るように配慮されたもので、軽巡としては膨大なパーツ数となっています。驚くのは、艦体パーツや甲板パーツまで別々としているところであり、シリーズの定番価格を守るための商法と推測しますが、ここまでパーツを分けるのであれば、 2隻入りで価格を高めにしたほうが、購入側からするとうれしかったようにも思います。

面白いのは組み立て説明書まで完全に分かれているところで、これにより製作の混乱を避けています。パーツは、特シリーズお馴染みの細かくパーツ分割をして立体的に見せる手法を継承したもので、パーツの成型は良いとは言えず「ほどほど...」といった感じです。シリーズの「金剛」から始まった特有の持ち味はこのキットでも表れており、製作は苦痛ですが完成後のスタイルは素組みでも十分に映えるものです。

<作例について>
作業のほとんどを素組みとしていますが、個人的な好みにより、艦底の一部を再現するためにプラ板を切り出して艦体下部に追加しています。

艦体や上部構造物は、我が造船所の軽巡色である呉工廠グレーで塗装しました。リノリウム色を始め、その他の部分もすべてGSIクレオス社のMr.カラーで塗装しています。

<建造について>
建造工程については、下記のアイコンよりお入りください。↓

     
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