巡洋艦 川内 旧日本海軍
 川内型二等巡洋艦1番艦
掲載:2009年01月25日
修正:2014年05月11日
 軽巡 川内(せんだい)1943 <アオシマ製>


<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 350
    日本軽巡洋艦「川内」
    1/700 アオシマ 2008年発売
 

<実艦について>
旧日本海軍の近代型軽巡は天竜型から始まっていることは、いろいろな書物で紹介されていることと思います。そして、当時仮想敵国であった米国のオマハ級軽巡が天龍型の性能を凌駕していたため、天龍型を拡大改良した“5,500t型軽巡”と言われるグループが14隻建造されました。この“5,500t型軽巡”は大きく球磨型、長良型そして川内型の3グループに分けられます。このうち、川内型は八八艦隊計画で建造された軽巡ですが、この計画では当初8,000t型4隻と5,500t型8隻を建造する予定でした。

しかし、当時の世界情勢によりワシントン海軍軍縮条約が成立したため、計画は変更となって8,000t型は10,000tの条約型重巡妙高型4隻となり、5,500t型は重巡古鷹型2隻と青葉型2隻となりました。その結果、川内型軽巡は3隻のみが建造されただけに止まりました。川内型は前型の長良型の改良型で、外見は4本煙突となっているところが大きく異なるところです。これは、重油専缶だった球磨型および長良型の主缶を重油と石炭の混焼缶として重油消費量を削減しようと計画したために主缶の配置が変更になったためと言われています。
  • 1924年4月29日、三菱長崎造船所で竣工しました。
  • 1924年〜1939年には、主に中国大陸の青島、南支、中支、北支方面などで行動しています。
  • 1940年5月1日に第 1艦隊第 3水雷戦隊に編入され、南支方面で行動します。
  • 1941年12月4日にマレー上陸船団を護衛し、翌1942年1月27日に、エンドウ沖海戦で英駆逐艦1隻を撃沈。2月9日にはバンカ、パレンバン上陸作戦を支援、3月8日には北部スマトラ上陸作戦、15日にはアンダマン攻略作戦を支援します。5月29日にミッドウェー海戦に参加。8月8日にはインド洋交通破壊戦に従事、24日には陸軍川口支隊輸送船団を護衛、9月12日および18日にはガ島砲撃を実施します。11月14日に第三次ソロモン海戦に参加。損傷して工作艦「明石」の修理を受けます。
  • 1943年2月25日に第8艦隊第3水雷戦隊に編入されます。4月21日に損傷した重巡「青葉」の曳航作業に従事し、以降、輸送任務に勤めます。11月2日にブーゲンビル島沖海戦に参加し、米艦隊の集中砲火を浴びて沈没しました。

<キットについて>
「川内」の1/700プラキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマから発売されています。同型艦のキットは、1972年にWLとしてフジミより2番艦「神通」が発売されていましたが、フジミが1992年にWLを脱退して独自のシリーズ、“シーウェーモデル( SWM)”を展開し、既に発売済みの「神通」をSWMとして発売、加えて3番艦「那珂」を発売させました。しかし、ネームシップの「川内」は艦首形状が異なるためフジミからは発売されませんでした。

一方、WLではフジミの脱退によりシリーズから川内型軽巡が欠落して長い間不在だったのですが、2008年に至ってようやくアオシマから再開発されました。アオシマは川内型3隻すべてを発売し、WLはいっそう充実した感じを受けます。これでWLの軽巡で発売されていない艦は球磨型の「大井」と「北上」、長良型の「由良」のみとなりました。これらの艦も発売されるといいのですが…タミヤの担当ということで発売される可能性も低いと感じます(タミヤさん、お願いします…)。

さて、話が少しずれましたが待望の「川内」新キットは現在のモデラー水準を満足させる好キットであり、うれしい限りです。ただ、設定年時における武装の装備に多少の誤りがみられるのと、説明書に不備(アオシマのものは多いような気がします…(;_;))があるところに少々不満を感じます。

<作例について>
ほぼ説明書どおりに建造していますが、ちょっとした追加工作を行っています。

追加工作内容は、以下のとおりです。
  • 第四煙突後部に機銃座および機銃を装備。最終時ということで装備しましたが、武装配置には諸説があるようです。パーツはキットに用意されていますが、説明書には取り付け指示はありません。
  • 第三煙突両舷のボートダビットは他のダビットより大型です。ピットロード(PT)の武装パーツより調達しました。
  • 艦載機作業甲板支柱(右舷)は甲板と一体成形となっていますが、少し太いようなのでプラ棒に交換しました。また、左舷側も支柱を再現しました。
  • 後部マスト中段の探照燈台座支柱をプラ棒で再現しました。
  • 艦載機は94式水偵をリニューアルパーツより調達。塗装は大戦後半の標準塗装です。カタパルト滑走台は、タミヤの 最上型キットより調達しました。
船体や上部構造物は、我が造船所の軽巡色である呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT艦船カラーのリノリウム色で塗装、その他はすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。


      
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