巡洋艦 天龍 旧日本海軍
 天龍型二等巡洋艦1番艦
掲載:2015年10月09日
修正:2019年12月25日
 軽巡 天龍(てんりゅう)1941 <ハセガワ製新キット>
↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 357
    日本軽巡洋艦 「天龍」
    1/700 ハセガワ 2015年発売
 

<実艦について>
「天龍」は日本海軍軽巡洋艦の先駆けとして、オールギアードタービンを装備、推進機構を初めて3軸とし、建造当時としては超一流の速力、51,000馬力33ノットを誇りました。また、53cm三連装魚雷発射管を初めて搭載、艦体の中心線上に2基配備された発射管は左右舷に移動して魚雷を発射する独特な構造でしたが、魚雷の性能向上により本体の強度が増したため、後の改装にて船体中心線上に旋回固定する構造に改装されました。艦形は、当時の一等駆逐艦を大きくしたような俊敏かつ軽快なスタイルで、従来の艦に比べて性能および速力の点で格段の進歩があったようです。

天龍型軽巡は本艦のほか2番艦「龍田」の2隻が建造され、ネームシップの「天龍」は横須賀工廠にて1917年5月に着工し、1919年11月20日に竣工しました。開戦時は第4艦隊第18戦隊旗艦として同型艦「龍田」とともに第一次、第二次ウェーキ攻略作戦に参加、その後は「龍田」とともに南東方面各地の攻略作戦を支持。1942年にはガダルカナル島飛行場設営に協力、ガダルカナル島に物資輸送を3回行いました。第一次ソロモン海戦では、重巡「鳥海」以下の重巡部隊に続いて戦地に突入し、敵重巡4隻を撃沈する戦果に貢献しました。また、第三次ソロモン海戦には増援部隊として参加。1942年12月18日20時25分、ニューギニアのマダン島上陸作戦に護衛隊として参加していましたが、マダン北方海域において米潜水艦「アルバコア」の雷撃を受け沈没しました。

(参考:キット説明書)

<キットについて>
軽巡「天龍」の 1/700プラキットは、ウォーターラインシリーズのハセガワから発売されていますが、本キットは1973年に発売された初代キットの完全リニューアルとして2015年に発売されたものです。

ハセガワのウォーターラインシリーズ旧日本海軍艦艇キットとしては空母「赤城」以来の新キットですが、ハセガワは 1/700の艦船模型開発には消極的であり、ファンとしてはこのキットの発売が嬉しかったに違いありません。しかも、天龍型軽巡は地味な艦であることからリニューアルが無いと思われていただけに、今回のリニューアルは艦船モデラーにも大変驚きだったことでしょう。

本キットは、現在の成形技術により製造された繊細でシャープなモールドのキットですが、ハセガワのキットは艦船モデラーから見るとツボを外している部分があるのも事実であり、今回は煙突頂部の仕上げ方とマストの太さ、小煙突のパーツ割などにそのことを感じました。

しかし、先代キットの弱点だった艦橋構造物の実艦との違いが大きいことが改善され、実艦に忠実となり、製作し易さにも考慮したことにより、気軽に楽しめるキットです。この地味艦を再開発してくれただけで(最近流行りの『艦これ』ブームが多大な影響を与えたものと推察しますが...)感謝したいものです。

<作例について>
キットは「天龍」の“最終時”と“開戦時”を選択出来ますが、今回は“開戦時”を選びました。全くの素組みにて製作しましたが、艦橋部は上下パーツのズレに注意してください。私はブログに掲載した写真をみてズレに気が付き、その後に修正しています。また、前部マストがやや前方に傾斜する傾向にありますので、パーツ取り付けの際に直上に真っ直ぐ立つように気を付けると良いでしょう。

<建造について>
建造工程ついては、下記のアイコンからお入りください。 ↓

      
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