「阿武隈」 旧日本海軍
 秋月型防空駆逐艦1番艦
掲載:2006年11月05日
修正:2014年11月29日
 秋月(あきづき)1943 <アオシマ製>
↑ 左舷前方からの写真
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの写真
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 426
    日本海軍駆逐艦「秋月」
    1/700 アオシマ 1995年発売


<実艦について>
秋月型1番艦として、1942年6月11日に舞鶴工廠で竣工しました。15日には空母「瑞鶴」を護衛、10月には水上機母艦「日進」を護衛、ガ島輸送に従事しました。その後、第10戦隊第61駆逐隊に編入されます。1943年1月には第10戦隊の旗艦となりますが、敵潜水艦の雷撃で損傷し、戦線離脱。損傷修理のため、佐世保へ帰港します。帰港中に艦のキールが折れて艦首部分と船体部分を切断してしまいました。11月には修理が完成し空母「千歳」、「翔鶴」の護衛します。1944年6月にはマリアナ沖海戦に参加、10月にはレイテ沖海戦に参加し空母「瑞鶴」の直衛として活躍しましたが、10月25日に敵潜水艦の雷撃を受け、沈没しました。

<キットについて>
1/700秋月型のインジェクションキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマ、スカイウェーブシリーズ(SW)のピットロードおよびシーウェイモデル(SWM)のフジミから発売されています。

WLキットは現在のリニューアル作業の初期作品となり、フジミ製品がシリーズより欠落した穴埋めとして開発されました。約10年前となる発売当時の感覚ではシャープなキットでした。現在では、モールド不足が目に付くキットです。また、付属の小型艦艇用艤装パーツセット内に本来使用するべきものが不足していることから、短艇や探照灯などに誤りが見受けられます。WLでは秋月型が 6隻(秋月、照月、初月、涼月、冬月および宵月)発売されており、このほかに限定版として2隻(霜月、春月)が発売されたことがありました。6隻は3回の発売(1回につき2隻)によってラインナップしました。「秋月」と「照月」はこの3回の発売のうち、初回発売の2隻となり、両方とも竣工時の姿を現しています。

SWキットは最近発売された新製品で、シリーズでおなじみの力強い詳細なモールドで仕上がっており、好感が持てます。また、シリーズでは初の舷側外版の接ぎ目をモールドしており、既存の駆逐艦との整合性に欠けてしまうのが残念ですが、単艦で楽しむには十分満足できる仕上がりとなっています。

SWM のキットはフジミがWLに参加していた当時の作品で、WL初期作品となり、現在のモデラーの厳しい目には耐えられない仕上がりです。作り込む土台として、割り切ることが必要?でしょうか。価格は最も安いことが強みです。

今回はWLキットを建造しました。WLキットでの建造は、前記のとおり、探照灯や短艇を別途調達する必要があります。WLの大型艦艇用艤装パーツがあれば、特に問題ありません。

<作例について>
「秋月」のキットは竣工時仕様ですが、これを第1回目の対空機銃増備仕様(1943年初頭)として以下の追加工作を行いました。
  • 0.25o×0.5oプラ棒により、舷外消磁電路を再現しています。
  • 煙突脇の増設機銃座は、他キット(初月または涼月)より調達し、機銃座上には3連装機銃を装備します。
  • 煙突後部の既存の機銃座には連装機銃を装備します。
  • 機銃類はPTの武装パーツを使用。
  • 0.2o真鍮線により、甲板のリノリウム押さえ金具を再現しています。
  • 艦橋頂部の94式高射指揮装置はリニューアルパーツを使い、下部を削除して使用しています。
  • 後部の高射指揮装置は測距儀がなかったようなので、両脇のものを削り落としています。
  • 艦尾の爆雷投射機と装填台はピットロード(PT)の武装パーツに置き換えています。
  • 船体側面の窓を0.6o径ピンバイスにて再現しています。
  • 探照灯は90pのものが正解です。WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
  • 短艇類も9mカッターと内火艇が正解ですので、WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
  • 主砲塔は砲身間のフレームが不足しているので、プラ棒にて再現。砲塔側面の窓も再現しました。また、砲身はちょっと実艦と違いすぎるので、0.5oプラ棒に変更しました。
  • 艦尾の両舷にプラ棒にて爆雷を再現しました。
  • 艦尾形状はプラ板とパテにて末広がりに修正しています。
  • 船体中央部の機銃台下部の方位測定室が再現されていないため、プラ棒にて再現。探照灯下部の後部操舵室も円柱でなく四角柱なので、プラ板で形状変更しています。
  • 前マストは0.4oプラ棒を追加し、実艦に近づけました。
船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーを使用せず、軽巡クラスの大きさなので呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。

     
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