「阿武隈」 旧日本海軍
 秋月型防空駆逐艦4番艦
掲載:2011年11月05日
修正:2011年06月06日
 初月(はつづき)1943 <アオシマ製>
↑左舷前方からの写真
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑右舷後方からの写真
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 440 
    日本駆逐艦「初月」 
    1/700 アオシマ 1999年発売


<実艦について>
秋月型4番艦として、1942年12月15日に舞鶴工廠で竣工しました。翌1943年1月15日には第10戦隊第61駆逐隊に編入されます。1943年3月より12月まで、トラック付近で輸送任務に従事しました。12月24日には僚艦「涼月」とウェーキ輸送に従事しますが、「涼月」が敵潜水艦の攻撃を受けて被雷したため、本土に引き返します。

1944年2月に空母「翔鶴」、「瑞鶴」を護衛、3月には空母「大鳳」の護衛します。同年6月にはマリアナ沖海戦に参加し、10月にはレイテ沖海戦に参加。レイテ沖海戦では機動部隊直衛として活躍しますが、空母部隊は全滅しました。10月25日に「瑞鶴」乗員を救助した後、米艦隊に捕捉されて砲撃戦となり、被弾して沈没しました。

<キットについて>
1/700秋月型のインジェクションキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマ、スカイウェーブシリーズ(SW)のピットロードおよびシーウェイモデル(SWM)のフジミから発売されています。

WLキットは現在実施されているリニューアルの初期作品にあたり、1992年にフジミ製品がWLシリーズより欠落した穴埋めとして開発されました。約10年前となる発売当時の感覚ではシャープなキットでした。現在では、モールド不足が目に付くキットです。また、付属の小型艦艇用艤装パーツセット内に本来使用するべきものが不足していることから、短艇や探照灯などに実艦の装備と違った取り付け指示が見受けられます。WLでは秋月型が 6隻(秋月,照月,初月,涼月,冬月,宵月)発売されており、このほかに限定版として2隻(霜月,春月)が発売されたことがありました。前記の6隻は3回の発売(1回につき2隻)によってラインナップしましたが、「初月」と「涼月」はこの3回の発売のうち、最後に発売された2隻となり、「初月」は1944年、「涼月」が1945年の姿を現しています。

今回は「初月」を後部の高射指揮装置を撤去していない頃の1943年時仕様、「涼月」を6番艦「若月」として1944年10月頃のレイテ沖海戦前の対空機銃増備状態として建造しました。WLキットでの建造は、前記のとおり、探照灯や短艇を別途調達する必要があります。WLの大型艦艇用艤装パーツがあれば、特に問題ありません。

なお、「涼月」のキットは1945年頃を再現する場合、艦橋形状が実艦と異なっており、この部分が気になるところです。以前、限定版として実艦に正確な形状の艦橋パーツが入っていた限定版が発売されたことがありました。

<作例について>
「初月」のキットは1944年時仕様ですが、これを1943年時の姿(僚艦「秋月」の第3回目の対空機銃増備状態)に改装しました。以下の追加工作を行っています。
  • 0.25o×0.5oプラ棒により、舷外消磁電路を再現しています。
  • 煙突後部の既存の機銃座には連装機銃を装備します。
  • 機銃類はPTの武装パーツを使用。
  • 0.2o真鍮線により、甲板のリノリウム押さえ金具を再現しています。
  • 艦橋頂部の94式高射指揮装置はリニューアルパーツを使い、下部を削除して使用しています。
  • 後部の高射指揮装置は測距儀がなかったようなので、両脇のものを削り落としています。
  • 艦尾の爆雷投射機と装填台はピットロード(PT)の武装パーツに置き換えています。
  • 船体側面の窓を0.6o径ピンバイスにて再現しています。
  • 探照灯は90pのものが正解です。WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
  • 短艇類も9mカッターと内火艇が正解ですので、WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
  • 主砲塔は砲身間のフレームが不足しているので、プラ棒にて再現。砲塔側面の窓も再現しました。また、砲身はちょっと実艦と違いすぎるので、0.5oプラ棒に変更しました。
  • 艦尾の両舷にプラ棒にて爆雷を再現しました。
  • 前部マストトップの21号電探は、限定版の「春月」よりエッチングパーツを調達しました。
  • 艦尾形状はプラ板とパテにて末広がりに修正しています。
  • 船体中央部の機銃台下部の方位測定室が再現されていないため、プラ棒にて再現。探照灯下部の後部操舵室も円柱ではなく四角柱なので、プラ板で形状変更しています。
  • 前マストは0.4oプラ棒を追加し、実艦に近づけました。
船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーを使用せず、軽巡クラスの大きさなので呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。

      
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