「阿武隈」 旧日本海軍
 吹雪型一等駆逐艦16番艦(特型U型6番艦)
掲載:2011年05月22日
修正:2014年11月23日
 狭霧(さぎり)1941 (大戦初期仕様)  <ピットロード製>
↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • スカイウェーブWシリーズ102
    日本海軍駆逐艦「綾波」
    1/700 ピットロード 1994年発売


<実艦について>
  • 1931年1月31日、浦賀船渠にて竣工しました。第8駆逐隊に編入され、12月1日に第8駆逐隊から除隊されます。
  • 1932年5月17日、第10駆逐隊を僚艦「漣」と編成。以降、第10駆逐隊は中国方面で行動します。
  • 1939年4月19日、第10駆逐隊は予備駆逐隊となり、11月15日に解隊します。
  • 1940年8月1日、第20駆逐隊に編入されます。その後、南支方面で行動します。
  • 1941年12月4日、マレー上陸輸送船団護衛に出撃。12月24日、ボルネオ島クチン沖で対潜警戒に従事中、オランダ潜水艦 K16の雷撃を受けて沈没しました。

<キットについて>
ピットロードのスカイウェーブ大戦艦シリーズ(Wシリーズ)では、旧日本海軍の駆逐艦を精力的に開発してきましたが、1994年に至りシリーズでは未開発であった“特型”と“白露型”のうち“特型”を開発してきました。

一口に特型駆逐艦と言っても、同型艦が24隻も存在する一大グループです。しかし、特型駆逐艦は細かく見るとT型、改T型、U型、V型の 4タイプに分かれます。さらに、U型は前期艦と後期艦(UA型)に分かれるのです。

ピットロードの特型キットは最初にU型が発売されました。特U型の 1/700は、ピットロードが開発当時に最も気を使っていたと思われるタミヤからウォーターラインシリーズにて「綾波」と「敷波」が発売されていました。面白いことに今回発売されたキットは、このタミヤ製キットと真っ向勝負?と思われるように同じ艦名の「綾波」と「敷波」を発売しています。

特U型はネームシップの「綾波」から「潮」まで10隻の艦が存在するのですが、キットでは前期型の「綾波」と「敷波」を選択して発売しています。後期型を発売しなかった理由が不明ですが、前期型と異なる艦容のため?と個人的に勝手な思い込みをしています。しかし、後期型の「潮」は終戦時にも存在した艦なので、アイテム的にも選択する余地があったのでは?…なんて思っています。

…というところで、キットを眺めると煙突パーツが 2種類あり、明らかにU型の前期型と後期型が作り分けられる形になっています。しかし、がっかりしたのは魚雷発射管で特型のものでは無く初春型のものを流用するようになっています。なぜ、新たに開発しなかったのか?コスト面からかもしれませんが、PTらしくないなぁ…と思ってしまいました。そもそも睦月型と特型はほぼ同型の発射管だったと思いますので、睦月型の発売時に特型の開発も視野に入れて発射管を新規開発していればこんなことにならなかったのでは…と残念に思います。

一方、キットで特筆すべきは舷側のフレア再現ですね。タミヤ製のキットではこのフレアが再現されていなかったので、新型キットの左右分割のパーツがなせる業、特型独特のカーブ状の舷側断面をきちんと再現しています。

<作例について>
作例は「綾波」キットを「狭霧」として製作しました。「狭霧」はU型の前期型最終艦でU型としては6番艦、特型としては16番艦となります。U型の中では、大戦前期に戦没した最も短命な艦でした。大戦前期仕様のアイテムとしては適しています。キット指定の「綾波」も比較的短命艦だったため、1/700キットとして楽しむにはほぼ素組みで再現できます。
  • 魚雷発射管はキット指定のものを使用せず、比較的形状が正しいウォーターラインシリーズのものを使用しました。前部の発射管円筒が少し短いのが欠点です。
  • 第二煙突前の機銃座は、大きいものと小さいものがあり選択に悩みます。各自でリサーチが必要です。
  • 舷外電路をエバーグリーンのプラ角棒0.5o×0.25oで再現しています。
船体色は、我が造船所で駆逐艦の規定色である舞鶴工廠グレー。リノリウム色はピットロードの艦船カラーを使いました。その他はGISクレオスのMr.カラーを使用しています。

<建造について>
建造工程については、下記のアイコンをクリックしてください。 ↓
(準備中)

      
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