「阿武隈」 旧日本海軍
 白露型駆逐艦3番艦
掲載:2012年09月18日
修正:2014年02月28日
 村雨(むらさめ)1937 (竣工時仕様) <ピットロード製>
↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • スカイウェーブWシリーズ 135
    日本海軍駆逐艦 「白露」
    1/700 ピットロード 2011年発売

<実艦について>
白露型駆逐艦は、元々初春型駆逐艦12隻の建造計画により計画された中型駆逐艦です。初春型は 1,400tクラスの排水量に前作の大型駆逐艦である特型駆逐艦と同等の武装を盛り込んだ野心的な駆逐艦でしたが、武装に対して船体が小さすぎたため、復元性能不良の艦となってしまいました。このため、起工済みの6隻のみが同型艦として建造され、残る6隻は新設計とされました。これが白露型の前期型6隻です。引き続き14隻が建造されることになりましたが、準備中に日本がロンドン軍縮条約から撤退することになり、軍縮条約による排水量制限を気にしなくてよくなったため、4隻のみが同型艦として追加建造され、残る10隻は新設計の大型駆逐艦朝潮型として建造されました。
  • 1937年1月7日、藤永田造船所にて竣工。
  • 僚艦「夕立」と第2駆逐隊を編成、第 1艦隊第1水雷戦隊に編入されます。
  • 1940年11月15日に第2艦隊第4水雷戦隊に編入され、開戦を迎えます。
  • 1941年12月7日比島ビガン攻略作戦に参加。22日にはリンガエン湾上陸作戦に参加します。
  • 1942年1月7日にはタラカン攻略作戦、21日にはバリックパパン攻略作戦2月27日スラバヤ沖海戦に参加。
  • 5月29日ミッドウェー海戦に参加。7月30日インド洋通商破壊戦に従事します。9月20日からはガダルカナル島輸送作戦に7回も従事します。11月12日、第三次ソロモン海戦に参加。
  • 1943年3月5日、コロンバンガラ輸送作戦に従事中、クラ湾にて敵駆逐艦群と交戦し、米艦載機の雷撃を受けて沈没してしまいました。

<キットについて>
スカイウェーブシリーズ(SW)のピットロードから2011年になってようやく白露型駆逐艦の前期型キット「白露」が発売され、2012年には後期型の「海風」も発売されました。このキットは準同型艦の初春型を基に開発したもので、バリエーションキットのようなものですが、船体などには手直しがされています。開発手法からは今頃になって発売された理由がわかりませんが、シリーズ拡充の一言に付きますかね?太平洋戦争参加の一等駆逐艦では戦時急造艦の松型を除いて最も開発が遅かったのですが、理由はピットロードが 1/700艦船模型の後進企業であり、先進企業であるタミヤの存在に遠慮がちだったためと推測します。それと、タミヤのキットは発売当時はそこそこ評価が高かったことも理由の一つでしょう。まぁ、個人的な推測で勝手な事を言っていますが、SWキットで駆逐艦をコレクションしている私としては、キットの発売が大変嬉しい事でした。

SWキットは、タミヤのキットで問題のある艦橋構造物前面形状を的確に再現、前期型の角張った形状と後期型の丸味をおびた形状を前面パーツの差替えにより再現しています。デカールは1番艦「白露」に2番艦「時雨」と3番艦「村雨」が付属、キットでは竣工時から大戦前期の姿を製作できるようになっていますが、パーツには武装強化時のものを同封されているため、個々に資料を調べることによって最終時の「時雨」を製作することも可能です。残念なのは4番艦〜6番艦までのデカールが付属されなかったことで、後日、前期型の武装強化仕様を発売するつもりなのか?または、スポット生産で「夕立」、「五月雨」や「春雨」などを発売するつもりなのか?真意は解りません。

<作例について>
ほぼ素組みですが、前後マストはパーツの成形状態が悪かったためにプラ棒に変更しています。また、艦橋前面パーツの合いがイマイチで、私の貼り合わせが悪かったため、天蓋に段差が出来てしまい、プラ板を貼って修正しています。
  • 艦橋前面パーツは下部の位置を合わせて接合すると天蓋が面一になりませんので、天蓋面で合わせて接合したほうが良いでしょう。(…私の失敗談からのアドバイスです。)
  • 実艦では船首楼甲板の上端両舷に丸味があるのですが、キットでは角ばっているので削る方が良いでしょう。作例でも控えめですが削っています。
  • 前部マスト、後部マストは共にプラ丸棒に変更しています。
  • 艦首および艦尾旗竿を極細のプラ丸棒に変更しています。
船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。

<建造について>
建造工程については、下記のアイコンをクリックしてください。 ↓

      
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