旧日本海軍
 陽炎型一等駆逐艦14番艦
掲載:2017年08月01日
修正:2017年08月05日
 谷風(たにかぜ)1942 <アオシマ製>
↑ 左舷前方からの写真
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの写真
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 447
    日本駆逐艦「舞風」
    1/700 アオシマ 2004年発売

<実艦について>
陽炎型14番艦として、1939年10月18日に藤永田造船所で起工され、1941年4月25日に竣工しました。同日附けで呉鎮守府籍となります。28日に第一航空艦隊の第一航空戦隊に編入。その後5月1日附けで第17駆逐隊(浦風、磯風、浜風、谷風の4艦)に編入されました。

開戦時、第17駆逐隊は第一水雷戦隊(旗艦「阿武隈」)に所属して南雲機動部隊の護衛部隊として活動し、真珠湾攻撃に参加。その後も空母部隊の護衛としてウェーク島攻略、ラバウル攻略、ダーウィン空襲、ジャワ島攻略に参加。

1942年3月には戦艦「金剛」「榛名」とともにクリスマス島艦砲射撃を実施、作戦参加の「谷風」は約20分間の砲撃で31発、僚艦「浦風」は12発を発射し、イギリス軍守備隊は降伏しました第17駆逐隊は引き続きセイロン沖海戦に参加、1942年4月、第10戦隊(旗艦「長良」)が新設され、第17駆逐隊は第10駆逐隊(「秋雲」、「夕雲」、「巻雲」、「風雲」)、第7駆逐隊(「曙」、「潮」、「漣」)と共にこれに加わりました。当時の「谷風」は、第17駆逐隊司令艦(第一小隊:「谷風」、「浦風」、第二小隊:「浜風」、「磯風」)として活躍。

6月上旬、ミッドウェー海戦に参加。第10戦隊として南雲機動部隊の護衛を行うも、空母「赤城」、「加賀」、「蒼龍」、「飛龍」は大破炎上となり損失。この時沈没せずに漂流していた「飛龍」の捜索を「谷風」が実施。捜索時に敵航空機の爆弾を 100発以上受けましたが、すべて回避したとのことです。

その後、“ガダルカナル島の戦い”や“ソロモン諸島の戦い”など、輸送・護衛任務に至るまで幅広い任務を熟し、太平洋戦争の各方面で活動しました。

1944年3月20日附けで第10戦隊(旗艦「矢矧」)に所属していた第17駆逐隊は、第16駆逐隊残存艦「雪風」を編入して5艦体制となります。第17駆逐隊司令艦「磯風」(第一小隊:「磯風」、「浦風」、「谷風」、第二小隊「浜風」、「雪風」)の編制。1944年6月9日、タウイタウイ湾口にて敵潜水艦出現の報を受け、「磯風」「島風」、「早霜」と対戦哨戒を実施中、敵潜水艦「SS-257ハーダー」の雷撃を受け、左舷艦首と艦中央に魚雷が命中して轟沈しました。

(参考:フリー百科事典−ウィキペディア−)


<キットについて>
1/700陽炎型駆逐艦のキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマとスカイウェーブシリーズ(SW)のピットロード、シーウェイモデル(SWM)のフジミから発売されています。今回は、2004年にリニューアル発売されたWLキットを建造しました。

WLキットでは、当初 1番艦「陽炎」を始め、「雪風」など 6隻を発売し、その後に「磯風」と「天津風」が追加され「早潮」が絶版となっており、現在7隻が発売されています。また、限定版で「黒潮」と「磯風」が販売されたことがありました。「舞風」は陽炎型駆逐艦の1942年の後半に対空兵装強化を実施した中期仕様として、艦橋前に連装機銃と後部煙突前に三連装機銃を装備した姿で発売しています。旧キットでの発売はありませんでした。

旧キットで問題となった、主砲塔、魚雷発射管、マストなどの形状は改善されて良好ですが、開発が10年以上も前とやや古いために、最近の新キットに比べるとモールドが簡素で物足らない感じを受け、また、主砲塔や魚雷発射管の側面モールドが全く再現されていないために少々見劣りすることも事実です。

<作例について>
ほぼ素組みです。私としては大変うれいしいことです。キットでは1942年後半の大戦中期頃を設定し、対空機銃の増備を始めていますが、後部二番砲塔の撤去までは実施されていません。今回は、この陽炎型18番艦「舞風」キットを同型艦14番艦の「谷風」として製作しました。

キット指定どおりですが、以下の部分を追加工作しています。
  • キット指示では1箇所のみ誤りがあります。探照燈はキット指定の75pではなく90pのものなので、キットパーツ以外から調達しなければなりません。今回はウォーターラインシリーズ武装セットの大型艦用から調達しました。
  • キットの機銃類、艦首側ボートダビット、爆雷装填台及び投射機はピットロード社の武装セットより調達しました。
  • 舷外消磁電路を0.25o×0.5oのプラ棒にて再現しました。形状は、手持ち資料写真の「不知火」と同じパターンにしています。
船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。

なお、私的好みで舷側中央と艦尾の艦名を表記しておりますが、大戦中は塗りつぶされていました。

     
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