<実艦について>
- 鴻型水雷艇は、ロンドン軍縮条約によって駆逐艦の建造が規制されたため、中型駆逐艦(1,000tクラス)の代用として企画されたものです。ロンドン条約では基準排水量600tクラス以下の水上戦闘艦艇の保有量制限がなかったことから、第二次艦艇補充計画により16隻が計画され、8隻のみが竣工しました。あとの8隻は、ロンドン条約が失効するため建造中止になりました。
−雉−
鴻型5番艦として、1937年 7月31日に三井玉野造船所で竣工しました。1937年8月15日に第二艦隊第11水雷隊に編入され、1938年6月6日に第三艦隊第11水雷隊に編入され北支方面で活躍しています。1941年9月20日には第三遺支艦隊付属第11水雷隊となり、開戦日の香港攻略作戦に参加しました。
大戦中は船団護衛や沿岸警備に活躍し、スラバヤで終戦を迎えました。
−雁−
鴻型6番艦として、1937年9月20日に横浜船渠で竣工しました。1937年8月15日に第二艦隊第11水雷隊に編入され、1938年6月6日に第三艦隊第11水雷隊に編入され北支方面で活躍しています。1941年9月20日には第三遺支艦隊付属第11水雷隊となり、開戦日の香港攻略作戦に参加しました。
大戦中は船団護衛や沿岸警備に活躍し、1945年7月16日にスラバヤよりアンボンへの輸送作戦従事中、米潜水艦バヤの雷撃を受け、沈没しました。
<キットについて>
- 1/700鴻型水雷艇のインジェクションキットは、スカイウェーブ大戦シリーズ(SW)のピットロードから発売されています。
キットはSWでおなじみの力強い詳細なモールドで仕上がっており、好感が持てます。比較的地味な艦でありますが、ピットロードはこのような地味な艦をプラキットとして発売してくれるので、本当にうれしく思います。プラキットとしては貴重な存在でもあるため、一般的評価も良いようです。
キットは2隻入りで、大戦前の改装工事後の姿と大戦中の武装強化時を作り分けることができます。また、付属のデカールによって5番艦「雉」、6番艦「雁」、7番艦「鷺」、8番艦「鳩」が再現できます。
<作例について>
- ほぼ素組みです。私的好みにより船体中央と艦尾に艦名デカールを貼りましたが、実際には大戦中は塗り潰されていました。船体は我が造船所の駆逐艦色であるGSIクレオスの舞鶴工廠グレーを使用、リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
−雉(1945)−
「雉」のキットは最終時の対空兵装強化仕様で、以下の追加工作を行っています。
- 0.25×0.5oプラ棒により、舷外消磁電路を再現しています。
船体は我が造船所の駆逐艦色であるGSIクレオスの舞鶴工廠グレーを使用、リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、艦橋天蓋はGSIクレオスのセールカラー色を使用、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
−雁(1937)−
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「雁」のキットは1937年の竣工時状態で、全くの素組みです。
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