- <実艦について>
- 鴻型水雷艇は、ロンドン軍縮条約によって駆逐艦の建造が規制されたため、中型駆逐艦(1,000tクラス)の代用として企画されたものです。ロンドン条約では基準排水量600tクラス以下の水上戦闘艦艇の保有量制限がなかったことから、第二次艦艇補充計画により16隻が計画され、8隻のみが竣工しました。あとの8隻は、ロンドン条約が失効するため建造中止になりました。
−鴻−
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鴻型1番艦として、1936年10月10日に舞鶴工廠で竣工しました。1937年〜1941年まで中支や南支方面で活躍しています。
大戦前期は海南島海面で警備や船団護衛に活躍し、香港やラバウルで輸送船団護衛も行っています。1942年11月22日にラエ輸送の護衛に従事中、敵機の攻撃を受け損傷しました。1943年4月1日には第四艦隊第2海上護衛隊に編入され、横須賀とトラップ、ラバウル間で船団護衛任務に従事。1943年11月15日には海上護衛総司令部第二海上護衛隊に編入され、横須賀とサイパン、トラック、ラバウル間で行動しています。
1944年7月18日、サイパン北北西海域にて敵機の攻撃を受け沈没しました。
−隼−
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鴻型3番艦として、1936年12月7日に横浜船渠で竣工しました。1937年〜1939年まで中支方面で活躍しています。
1939年11月15日には第二遺支艦隊南根拠地隊第1水雷隊に編入され、海南方面で沿岸警備に活躍。1942年4月10日には南西方面艦隊第1海上護衛隊に編入され、船団護衛に従事。1943年10月1日には第3南遺艦隊に編入されフィリピン各地への船団護衛に従事しています。
1944年9月24日にミンドロ島南方にて敵機の攻撃を受け、沈没しました。
<キットについて>
- 1/700鴻型水雷艇のインジェクションキットは、スカイウェーブ大戦シリーズ(SW)のピットロードから発売されています。
キットはSWでおなじみの力強い詳細なモールドで仕上がっており、好感が持てます。比較的地味な艦でありますが、ピットロードはこのような地味な艦をプラキットとして発売してくれるので、本当にうれしく思います。プラキットとしては貴重な存在でもあるため、一般的評価も良いようです。
キットは2隻入りで、大戦前の改装工事後の姿と大戦中の武装強化時を作り分けることができます。また、付属のデカールによって1番艦「鴻」、2番艦「鵯」、3番艦「隼」、4番艦「鵲」が再現できます。
<作例について>
- 制作は基本的にキットの作りを尊重しています。
−鴻(1936)−
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「鴻」のキットは竣工時仕様で、全くの素組みです。船体は我が造船所の駆逐艦色であるGSIクレオスの舞鶴工廠グレーを使用、リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、艦橋天蓋はGSIクレオスのセールカラー色を使用、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
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−隼(1944)−
「隼」は1945年の最終時の対空兵装強化状態です。追加工作については、以下に示すとおりです。
- 0.25×0.5oプラ棒により、舷外消磁電路を再現しています。
私的好みにより、船体中央と艦尾に艦名デカールを貼りましたが、大戦中は塗り潰されていました。船体は我が造船所の駆逐艦色であるGSIクレオスの舞鶴工廠グレーを使用、リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
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