<実艦について>
- 旧日本海軍は予算上の問題があり、英米の海軍に比べて艦隊支援艦艇の建造整備は遅れていました。1934年の第二次艦艇補充計画においてようやく 9,000tの工作艦が承認され、1939年に竣工、これが工作艦「明石」です。
竣工当時最新鋭の工作機を多数搭載し、大戦中はトラック島で艦艇修理に大活躍していましたが、1944年のパラオ大空襲で大破着底して終戦を迎えています。
<キットについて>
- ピットロード(PT)は、系列のレジンキットをインジェクションキット化して自社のスカイウェーブシリーズを拡充する方法をとっており、「明石」もその一つであります。艦上に立ち並ぶクレーンは、さすがにエッチングパーツに交換したくなりますが、素組みで丁寧に色塗りすれば、作例のように何とか見られるものとなります。キットのモールドは、PTならではの良さが十分に表現されており、甲板上の詳細なモールドにはビックリさせられます。このような地味な艦艇を製品化しているPTには、本当に感謝しています。
<作例について>
- 側面の窓の表現をピンバイスで追加したのみで、後はまったく素組みです。今回は船体色に横須賀海軍工廠グレーを使い、リノリウム色はPTのものを使用しました。大きさを考えると軽巡クラスなので、呉海軍工廠色かなと思いましたが、工作艦の重圧さを表現したくて少し暗めの色としました。地味な艦種ですが、戦闘艦艇と並べるといい味を出します。
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