水上機母艦 瑞穂 旧日本海軍
 瑞穂型水上機母艦
掲載:2014年05月05日
修正:2019年12月22日
  瑞穂(みずほ)1940 <アオシマ製新キット>
↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 550
    日本水上機母艦「瑞穂」
    1/700 アオシマ 2013年発売

<実艦について>
旧日本海軍では、国土の四方が大洋に囲まれている地理的要因と第一次世界大戦の参戦経験から作戦地域での活動において水上機が貴重な戦力であることを重視していました。事実、地理的要因より作戦地域は大河や大洋といった水域が多く、飛行場の整備がままならない地域では水上機による偵察や陸上部隊の戦闘支援が欠かせない状態でした。

このような戦術思想の中、1924年に計画された水上機母艦の1つが「瑞穂」です。「瑞穂」は準同型艦の千歳型と同様の戦略目的により建造され、水上機母艦としての表の顔と特殊潜航艇母艦「甲標的」の母艦としての裏の顔を持つことを期待されていました。計画当初の速力性能では千歳型が20ノット、「瑞穂」は22ノットで千歳型より優速であったことが後に禍根を残すことになりました。採用機関にディーゼルのみを搭載することが決定したからです。

千歳型はタービンとディーゼルの併用により29ノットを発揮することができましたが、「瑞穂」では大出力ディーゼルが不調だったことにより計画速力の22ノットを発揮できず、最速でも17ノットが限界だったと言われています。しかし、計画当時のワシントン・ロンドン軍縮条約により大型カタパルトの搭載が出来なかった制約は、条約を脱退することにより解除されたため、 4基のカタパルトが搭載可能となり水上機母艦としての能力は格段に向上しました。

太平洋戦争突入時には機関修理を重ねた結果、22ノットの発揮が可能でしたが安定した性能ではありませんでした。この状態で「千歳」と隊を組み南洋方面の作戦支援に活躍。1942年に横須賀工廠にて機関の完全修理を実施し、安定した22ノット航行が可能となって瀬戸内海へ向け航行中、静岡県御前崎沖にて米潜水艦「ドラム」の雷撃により沈没しました。太平洋戦争における旧日本海軍の軍艦損失 1号艦です。

(参考:キット説明書)

<キットについて>
先代のキットはウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマから1979年に発売された千歳型水上機母艦「千歳」をベースとしてバリエーション展開されたもので、専用パーツを開発して2002年に発売されました。

新キットは2013年にリニューアル発売されました。旧キット同様に先行発売された準同型艦「千歳」のバリエーションキットとした内容で、大部分を“千歳型”と共通パーツとし、一部に新規開発された「瑞穂」専用パーツを追加しています。

発売にあたっては、前記したとおり既存キットの「千歳」のパーツを引用している関係上、「瑞穂」特有の細かな形状(クレーン等)は再現されていません。艦尾形状は、先代のキットで「千歳」と「千代田」を艦体中甲板まで同一のパーツとして不評だったため、ベースとなる「千歳」と「千代田」の艦体をまるごと別パーツ化として新規開発したことにより、「千歳」と同型の「瑞穂」も実艦に沿う形となりました。

キットは最近の精密志向に合うようにパーツが細分化されており、防空指揮所は双眼鏡まで再現されています。また、艦橋窓は透明パーツを採用してリアル感を求めています。キットのパーツ割は、あくまで旧キットを元に設計されており、個人的にはクレーン取り付け部など改めた方が良いのでは?と思う部分もありました。甲板の再現は旧キットに比べはるかに詳細となり、繊細にて詳細な「瑞穂」を制作することができるでしょう。

<作例について>
 全くの素組みです。

船体や上部構造物は、我が造船所の重巡色である横須賀工廠グレーで塗装しました。リノリウム甲板はGSIのMr.カラー特色のリノリウム色で塗装、そのほかもすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。

<建造について>
 建造工程については、下記のアイコンをクリックしてください。 ↓

     
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