砲艦 勢多型 旧日本海軍 勢多型砲艦
 1番艦「勢多」,2番艦「比良」
掲載:2013年01月22日
修正:2014年10月30日
 勢多(せた)1931/比良(ひら)1931 <アオシマ製>
↑ 左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑ 右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 546
    日本砲艦「勢多/比良」
    1/700 アオシマ 2011年発売

    (写真上段のキット⇒)

<実艦について>
砲艦とは大河川や近郊の港湾で行動する小型の軍艦のことで、旧日本海軍における砲艦は800t未満の二等砲艦(河川砲艦)と 800t以上の一等砲艦の二種類があります。特に、砲艦の中では中国大陸における揚子江の権益を確保するために行動していた「河川砲艦」が有名です。

勢多型砲艦は二等砲艦に属し、河川で行動するために喫水が極端に浅い特殊な艦でした。建造は日本の造船所、播磨造船と三菱神戸が行い、分解輸送して現地で組み立てられたようです。

− 勢多 −
  • 1922年4月29日、播磨造船所にて起工。
  • 1923年10月6日、上海東華造船会社で竣工。
  • 1945年8月15日、上海で終戦。中国軍が接収後に「長徳」と改名します。
  • 1945年9月30日、除籍。
− 比良 −
  • 1921年8月15日、三菱神戸造船所にて起工。
  • 1923年8月24日、揚子機器有限公司で竣工。
  • 1944年11月26日、安慶にて敵機の攻撃を受け大破。
  • 1945年9月30日、除籍。

<キットについて>
ウォーターラインシリーズ(WL)で活発に製品をリリースしているアオシマのキットです。アオシマは自社の旧キットを精力的にリニューアルしており、しかもWL拡充のため、シリーズにはない艦艇の開発にも努めており、WLの協賛であるタミヤとハセガワの新製品開発が不活発なため、現在、アオシマによって成り立っている状態です。

WLにおいて砲艦キットは初の製品ですが、リサーチ不足により設定年代が曖昧となり、パーツ形状とキット設定年代に相違があります。

この解決策としては、同型艦のキット「堅田/保津」の購入をお薦めします。「堅田/保津」のキットでも設定年代が曖昧となっていて、「勢多/比良」のパーツを流用すると性能改善の改修工事後状態となります。したがって、両キットを購入することによって、キット設定年代を現すことができます。

<作例について>
基本的には素組みですが、下記の追加工作をしています。
  • キットの煙突は大改装後の短縮したものであるため、改装前の長いものを別キット「堅田/保津」より調達しています。キットの兵員室天蓋にある通風筒は大改装後のキノコ型形状であるため、改装前のキセル型形状のものを別キット「堅田/保津」より調達しています。
  • キットでは兵員室天蓋に設置された対空砲火を艦首尾2箇所とも13o連装機銃を取り付けるよう指示していますが、作例の年次では、艦首側に15p曲射砲が装備されていたため、プラ材でスクラッチしています。なお、この武装は船体色の白色とせず、グレーで塗りました。
  • 艦首側面に主錨用の鎖が通る穴を再現しました。
  • 艦尾の便所と最上甲板の後部先端とはレールのようなもので繋がっていましたので、プラ細棒にて再現しました。
  • 艦橋部の形状は、大改装後の閉鎖状のブルワーク付きのものなので、作例の年次では半開放状の艦橋であったため、天幕をプラペーパーにて再現、前部窓枠と支柱はプラ棒にて再現しました。
  • 兵員室窓枠をプラ棒にて再現しました。
キットでは上部構造物を薄黄色で塗装するように指示していますが、これは竣工からしばらくの間の塗装です。作例年次の塗装は船体及び上部構造物ともに白色だったので、白色で塗装しました。なお、上甲板と最上甲板はリノリウム敷きと判断してリノリウム色で塗装しました。また、兵員室天蓋の色は手持ち資料の実艦写真より、赤茶色と判断して赤茶色で塗装しています。塗料はすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。

<建造について>
建造工程については、下記のアイコンをクリックしてください。↓

      
inserted by FC2 system