<実艦について>
- 「CVE-20バーンズ」は、アメリカ海軍が建造中の戦時標準輸送船を利用して建造した航空母艦です。ネームシップの「CVE-9 ボーグ」の名から一般的にボーグ級護衛空母と呼ばれています。ボーグ級護衛空母は45隻が建造され、34隻はイギリス海軍へ貸与されました。これら34隻の艦をアタッカー級空母と呼びます。
ボーグ級護衛空母は11隻で、「CVE-20バーンズ」は7番目の艦となります。名称は AVG-20→ ACV-20→ CVE-20→CVHE-20 と変化しますが、これはアメリカ海軍内での艦種変更を意味し、 “AVG”は航空機搭載護衛艦、 “ACV”は補助空母、 “CVE”は護衛空母、“CVHE”は護衛ヘリ空母という意味となります。
「CVE-20バーンズ」はワシントン州タコマのシアトル・タコマ造船所において1942年5月1日に起工し、1943年2月20日に就役しました。大戦中は主に太平洋の前線部隊への兵員、物資、航空機輸送任務に従事し、搭乗員の訓練艦としても活躍。1943年11月〜12月のギルバート諸島タラワ環礁の戦い、1944年9月〜10月のペリリュー、アンガウルの戦い、同年10月19日のルソン島攻撃にも参加しています。終戦後は1946年8月に予備役になりますが、1955年6月に護衛へり空母に艦種変更されて1959年2月まで活躍。同年3月1日に除籍、廃棄処分となり生涯を終えました。
<キットについて>
- ボーグ級護衛空母の 1/700キットは現在タミヤから 1番艦「CVE-9 ボーグ」が発売されていますが、このキットはもともとピットロード(PT)が開発販売していたものであり、現在、PTで展開されているスカイウェーブWシリーズの
2として発売していたものです。PTの販売キット時代には艦載機が付属されていませんでした。また、英国向けに建造したトラッカー級護衛空母(ボーグ級と姉妹艦関係になる)も同時に発売していました。
- このキットが1997年にタミヤからウォーターラインシリーズ711 として発売されています。発売にあたり、武装パーツと艦載機は新規にタミヤが開発したものが付属されました。キットのモールドは力強いタッチで表現された“ピットロード風”の仕上げとなっていて、個人的には1/700の表現に合っているものと考えています。このモールド表現は現在ではオーバー表現として嫌われる風潮が強いようですが、個人的には完成後の面白さを引き立たせてくれる重要な役目をしているものと思っています。あまり縮尺に忠実すぎると、おとなしい表現過ぎて完成品が映えないように感じるのです。こういった考え方は人それぞれなので、このくらいにしておきます。(^_^;)
艦橋頂部のレーダー類はキットの組み立て説明書で指定されているものでも間違いではありませんが、各艦の就役時期によって違いがあるので、こだわるのであれば自分で調べる必要があります。
<作例について>
- 作例は基本的にキットを素組みしています。但し、ネームシップの「CVE-9 ボーグ」ではなく、同型艦「CVE-20バーンズ」としました。理由は飛行甲板に大きく描かれる艦番号を付属デカールで再現したかったからです。個人的に調べた結果、艦番号が実際に記載された艦は「バーンズ」ではなく、同型艦の「CVE-23バートン」くらいで、CV-E20バーンズが飛行甲板に艦番号を表記しているかどうか判りませんでした。
- ボーグ級は対潜護衛空母として活躍していることが有名ですが、輸送任務も多かったようです。作例では、もちろん護衛空母として再現したつもりですが、輸送任務をこなしている姿として、狭い飛行甲板に沢山の艦載機を積むのもアメリカ的に感じます。
塗装は、米海軍艦艇の特徴でもある迷彩塗装ですが、比較的簡単な再現の段階塗装であるメジャー22としました。やはり、迷彩塗装ではメジャー 3シリーズが映えますが、左右の迷彩を確認できる艦は非常に限られますので、中々難しいところと思います。メジャー22は、ヘイズグレー色とネービーブルー色の段階塗装です。ヘイズグレー色はピットロードの艦船カラーの米現用艦艇船体色を使用、ネイビーブルー色は
GSIクレオスの Mr.カラーネービーブルー色に白色を混ぜて明度を上げたものを使っています。
<建造について>
- 建造工程については、こちらからお入りください。 ↓
|