駆逐艦 DD-412 ハムマン アメリカ海軍
 シムス級駆逐艦4番艦
掲載:2009年09月13日
修正:2014年03月22日
 DD-412 ハムマン 1942 (最終時仕様)<タミヤ製>
↑左舷前方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
↑右舷後方からの眺望
(画像はクリックすると大きくなります。)
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 911

    アメリカ海軍駆逐艦「DD-412 ハムマン」

    1/700 タミヤ 2013年発売

<実艦について>
 シムス級駆逐艦12隻の 4番艦「DD-412ハムマン」は、1938年 1月ニュージャージー州カーニーのフェデラル・シップビルディング社で起工しました。1939年 8月に竣工し 2年間の訓練を経て1942年 1月に日米が激戦を繰り広げる太平洋へ出航。 5月の珊瑚海海戦では空母「CV-2レキシントン」を護衛しました。続く 6月のミッドウェー海戦では空母「CV-5ヨークタウン」を護衛。ヨークタウンは日本の艦載機攻撃により被爆および被雷し、傾斜して漂流したため、「ヨークタウン」に横付けして復旧作業に従事します。そこへ、日本海軍の潜水艦「伊-168」が忍び寄って魚雷を 4本発射し、 2本は外れましたが 1本は「ヨークタウン」に命中、もう 1本は「ハムマン」の船体中央に命中して搭載爆雷の誘爆もあり、大爆発をおこして船体が 2つに裂け、轟沈してしまいました。「DD-412ハムマン」は珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦の戦功より従軍星章を 2つ受賞したそうです。

 シムス級駆逐艦は戦前型に建造された最後の1,500 tクラスといえるもので、実際にはロンドン海軍軍縮条約の失効後に建造されたため、条約規定排水量を考慮する必要はなかったのですが、前級のベンハム級までの実績を考慮したためにベンハム級駆逐艦をベースとして建造されました。また、1934年度計画のグリッドレイ級駆逐艦の実績から 1本煙突を採用し、限られた甲板スペースを兵装に当てることができました。

 竣工時には船体の大きさに比べ重武装だったことからトップヘビー傾向が強かったようで、対策として主砲の 3番を撤去し、魚雷発射管も 1基撤去、主砲の 4番、 5番は重量軽減のためシールドレスの改装工事を実施しました。しかし、ネームシップの「DD-409シムス」が大西洋海域でこのシールドレスの主砲が凍結して使用不可能という事態が発生、解決策として下半分を金属シールドとし、上半分はキャンバス張りとすることになりました。「ハムマン」では 3番主砲塔のみがこの状態です。
 兵装は、38口径 127o単装両用砲4基(竣工時 5基)、 12.7o機銃 4基、 533o 4連装魚雷発射管 2基(竣工時 3基)、爆雷投下軌条 2条が装備されました。

(参考:キット説明書)

<キットについて>
 「ハムマン」が属するはシムス級駆逐艦の 1/700プラキットは、唯一タミヤから発売されているこのキットのみです。
 戦前型米駆逐艦のプラキットは、発売されているものが少なく、大変貴重な存在です。

<作例について>
 作例はほぼ素組みです。タミヤのキットは品質が良いため、それほど苦労なくハムマンを建造することができるでしょう。ほぼ素組みですが、下記のとおり 2箇所のみ追加工作を行いました。

  • 艦橋中段のブルワーク下部の支柱を 0.3oプラ棒で再現。

  • 船体中央部の機銃甲板下部支柱を 0.3oプラ棒で再現。

 製作で問題は特にありません。そのぶん、塗装作業に重きを置きましょう。

 作例は「ハムマン」の最終時に塗装されていたメジャー12改を再現しました。メジャー12改塗装は大西洋艦隊の迷彩と言われていますが、当初大西洋へ派遣(または派遣予定)されていた艦艇が転属(または所属変更)で太平洋艦隊に配属されていても迷彩塗装を変更しなかったため、太平洋海域でもこの迷彩は存在しています。有名なところでは、空母「CV-8ホーネット」や「CV-7ワスプ」、防空軽巡の「CL-51アトランタ」や「CL-52ジュノー」でしょうか?

 メジャー12改は船体上部構造物はヘイズグレーとオーシャングレー色の迷彩、船体はシーブルーとオーシャングレーの迷彩です。水平面はデッキブルー色が基本でした。

<建造について>
 建造工程については、下記のアイコンよりお入りください。↓

     
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