戦艦 ロドネイ イギリス海軍
  ネルソン級戦艦2番艦
掲載:2008年09月05日
修正:2014年11月26日
 ロドネイ 1927 <タミヤ製>
<使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 601
    イギリス戦艦「ロドネイ」
    1/700 タミヤ 1974年発売
 

<実艦について>
 第一次世界大戦が終了してから3年後、世界各国が再び軍備強化を始めたため、ワシントン軍縮会議が1921年開催されました。この会議では主力艦である戦艦の建造に関して排水量や主砲の大きさを制限、また各国の保有量などにも制限が設けられました。この条約を、“ワシントン軍縮条約”と呼びます。当時、日本海軍は八八艦隊計画の長門型戦艦を建造中で2番艦の「陸奥」が未完成であり、廃棄か完成で保有かで問題となりました。会議の結果、「陸奥」は保有を許可されましたが、その代償としてアメリカは建造中の「コロラド」と「ウエストバージニア」の保有を許され、イギリスも新戦艦2隻の保有が許可されたのです。このイギリスの許可された新戦艦が、後にネルソン級戦艦の「ネルソン」と「ロドネイ」となりました。条約での許可排水量は35,000トンであるため、この排水量で条約許可の最大主砲40.6p砲を搭載する戦艦の建造には、当時、非常に苦労されたようです。検討の末、主砲塔3連装3基を前部甲板に集中させた特異な艦容の戦艦が誕生しました。但し、排水量の制限により速力の強化は見送られ、23ノットの低速に抑えられたために推進機は 2軸であり、近代の戦艦としては鈍足です。この足の遅さが、第二次大戦の空母中心の戦術にはネックとなりました。また、特異的な艦容から艦の重量配分が不均等だったようで、旋回性能が悪かったようです。

ロドネイは1922年12月にキャメル・レアート社で建造開始され、1927年8月に竣工しました。第二次世界大戦が開戦され、北大西洋で船団護衛に従事。マルタの攻防戦、北アフリカ上陸作戦などの地中海で活躍。ソ連救援船団護衛なども行いました。1941年 5月には有名なビスマルク追撃戦に参加。僚艦と協同で独海軍の「ビスマルク」を撃沈しています。

 大戦後期には対空兵装を強化し、また3番砲塔上部にカタパルトを設置して艦載機を装備しました。大戦を無事生き残った本艦は1948年3月に老朽化のため解体され、20年にわたる国防任務に終止符を打ちました。

[参考:キット説明書]

<キットについて>
 WLが外国艦シリーズの展開を始めた1974年にタミヤが最初に発売したキットで、当時シリーズ102 として発売されていました。モールドはシャープであり、一般的な評価も高いキットです。現在発売されているキットと並べても十分通用する内容となっています。但し、金型は疲弊しているようであり、船体部品などの平面にはヒケやバリが多く見られます。仕上がりを美しくするには、最近のキット以上に十分な下地処理が必要となります。

<作例について>
作例は、まったくの素組みです。追加工作として後部マストの張り線のみ再現してみました。また、艦載艇の塗装にだいぶ悩んでしまいましたが、艦スペの鶴岡氏の1/350KGVの作品を参考にさせていただきました。

以下に追加工作の項目を記します。
  • 後部マストの張り線を髪の毛で再現。
船体塗装は、ピットロード社の艦艇色からイギリス海軍グレーを、甲板は同じく甲板色を使用しました。

     
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