「阿武隈」 中華民国(台湾)海軍
 旗艦
掲載:2008年09月05日
修正:2017年08月09日
 丹陽 1956 <アオシマ製「磯風」改造>
  <使用キット>
  • ウォーターラインシリーズ 448

    日本駆逐艦「磯風」

    1/700 アオシマ 2007年発売

<実艦について>
 1945年 8月に日本は連合国に無条件降伏し、太平洋戦争は終結しました。 4年にも渡る激戦を生き残った日本海軍の陽炎型駆逐艦「雪風」は、1947年 5月に賠償艦に指定され、中華民国へ引き渡されます。
 「雪風」は、1948年に中華民国海軍に編入され「丹楊」と命名されました。引渡しに当たって武装解除されていた「雪風」は、再武装工事が行われる前に中国国内の内戦が勃発したため、再武装されないまま1949年 5月に台湾へ退避します。台湾の左営造船所にて再武装されましたが、この時の再武装は、旧日本海軍から接収した12.7p連装高角砲を艦首に装備し、艦尾には長10p連装高角砲 2基、機銃は25o連装機銃を 4基装備しました。武装をまとった「丹楊」は、国府海軍第一艦隊に所属して、大陸封鎖作戦に活躍します。

 1956年には旧日本海軍の残した弾薬がなくなりつつあった事情から、武装を変更。米軍の 5インチ単装砲 3基、 3インチ単装砲 2基、40o単装機関砲10門に換装されました。

 1958年には第一艦隊から除かれ、1966年11月に予備艦となって高雄の海軍士官学校前の水域で練習艦として係留されていましたが、1969年の台風により座礁してしまい、1971年に解体されました。
 
<キットについて>
 「丹陽」のプラキットとしては、アオシマよりフルハルバージョンで1955年以前の旧日本海軍の武装パーツを装備していた頃の姿が発売されていますが、艦首錨鎖甲板の鎖のモールドが無く、一般的な評価はよくありません。作例の1956年以降の姿ではプラキットは発売されていません。レジンキットでは老兵工作室より発売されています。
<作例について>
 作例は、モデルアート誌2007年 5月号、衣島尚一氏の”連合艦隊編成講座”345 を参考とし、WLのアオシマ製「磯風」を改造しました。艦橋や煙突は基本的にはキットのままですが、機銃座や武装は大きく変化していますので、機銃座とブルワークはプラ板などで製作しました。武装はPT製の武装パーツより調達しています。私的には改造工程が多く苦労しましたが、その割に華麗には建造できませんでしたので不満が多い作品となりました。以下に主な改造項目を記します。
  • 前部マスト形状をプラ棒にて追加修正。
  • 艦橋前部の機銃座をプラ板にて再現。
  • 後部兵員室の拡張と平面形の修正。
  • 武装パーツをPTの米海軍武装セットより調達。
  • 船首楼後端の舷側をプラ板にて延長。
 塗装は、米海軍艦艇の現用艦艇塗装である、ヘイズグレー色と甲板色を使用しました。


     
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